女子会四年と五年と六年

*キャラ崩壊







その日、食堂は異様な光景に包まれていた。


「えー、でも久々知先輩だって髪お綺麗じゃないですかぁ」
「いや、おれのは剛毛だからなあ。滝夜叉丸と三木ヱ門はサラサラだし、喜八郎はふわふわだし、おれのとは違うよ」
「久々知くんだってちゃんとお手入れ続けてたら美髪になるよお! おれが編入した時よりもずっと手触りよくなったし」
「確かに。それにほら、お肌はつるっつるですし、睫毛も長いですからそのままでも充分お美しいです」
「そう? ありがとう。豆腐がいいのかな」
「ああ、いそふらぼんってのが美容にいいらしいですね」
「うん! 特に久々知くんお手製の豆腐は無添加だから凄く美容にいいんだよ!」
「え、食べたい」
「私も!」
「あはは、今度な。でも肌ってんなら喜八郎もつやつやだよな。土がいいのかな?」
「泥パック的なことですか? 穴掘りにそんな作用あるんですかね?」
「泥触ってるだけでも効果があるのかもな。私もやろうかな」
「滝夜叉丸は毎日運動してるから大丈夫でしょ。それより危ないのは徹夜続きの三木ヱ門だよ」
「そうだな、ちゃんと寝ないと肌に悪いぞ」
「栄養もちゃんと行き届かないって聞いたしなあ」
「うん、三木ヱ門最近毛先ぱさぱさだよ」
「嘘ぉ……! 手入れはちゃんとしてるんですよ」
「一番大事なのは睡眠だよ、やっぱり」


きゃっきゃとまるで女子のようにはしゃいでいる四年生(−守一郎)+兵助。
ふわふわと花が舞っている雰囲気の机。
の、隣では。


「おれ、あいつらの話に一切ついていけなくて……っ!」
「ついていける方が稀なんだよあれは」
「そうそう、おれらもついていけないって! なあ?」
「いや、私は辛うじてついてけるけど」
「三郎は別だから! 普通はついていけないからあんな美容の話なんて!」
「でも……疎外感が……!」
「いやいや、ほら、守一郎から話題振ってみたら?」
「そうだよ、美容以外の話なら出来るだろ?」
「できますけど、淡々としてるっていうか……、あんなに生き生きしてるあいつら初めて見たっていうか……」
「「ああ……」」
「いや、納得するなよ。大丈夫だよ、守一郎は悪くないから!」
「そそ、おかしいのはあいつらだから! な!」


どんよりと暗雲を漂わせる守一郎を、兵助以外の五年生が必死で慰めている。
正反対の雰囲気の机に、近寄りたがる生徒は誰もおらず。


「「なんだあれ……」」


たった今入ってきた六年生が、この上なく嫌そうに呟いた。







――
守一郎加入前に温めてたネタなんですが、折角なんで守一郎も混ぜてみた。最初は五年生が嫌そうな顔してました。
でも守一郎はこの手の話ついていけないと思ったので。笑
四年と五年がボケに回ったらツッコミになれるのは六年だけだと思います。






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