食満くくとグラタン

*現パロ




さっきからシチューのようなカルボナーラのような、クリーム系の匂いが漂っている。
カルボナーラほどチーズの匂いがしないのでシチューだろうか。いや、それも少し違う気がする。
なんて匂いから想像していると、久々知がトレイに乗せて料理を持ってきた。

「ほい、おまちどーさま」

ほかほかと湯気を立てるそれはグラタンだった。
匂いもさることながら、いい感じについた焦げ目が食欲を誘う。

「お、美味そう」
「おいしいですよー豆腐入ってますから」
皿を二つテーブルに置いて、久々知は楽しそうに笑う。
「また豆腐か。つうか毎回よく見つけてくるな」
「ね。レシピが俺を呼び寄せるんですかね」
「なぁに言ってんだ」
馬鹿なことを真顔で言う久々知を小突いてスプーンを取る。
俺に倣って久々知もスプーンを握った。

「いただきます」
「召し上がれ」

笑い合って、グラタンにスプーンを入れる。
とろとろのホワイトソースとマカロニ、ブロッコリー。
個体の豆腐はない。どうやらホワイトソースの中に入っているようだ。

「豆腐だとちょっとあっさりめですね。ソース」
「やっぱこん中に豆腐入ってんのか」
「意外と分からないもんでしょ?」

確かに、言われないと豆腐が入っているなんてわからない。
焦げたチーズが香るマカロニを飲み込んで、熱そうにスプーンに息を吹きかける久々知に笑った。

「うん、美味い」






――
マカロニグラタンが食べたくて。(食べたいものを食満くくに食べさせるシリーズ)
あとレシピは毎度おなじみクック〇ッド先生です。ほんと、よく皆さん豆腐の活用方法思いつかれる……!




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