五年六年の雪合戦







キラキラと太陽の光が反射する白。
庭の木にも周りの山々にも降り積もった雪。
澄んだ空気が一層その美しさを引き立てる。
子どもだけでなく大人達も感嘆の声を上げた。

一面の銀世界に、歓声を上げたのはどこのクラスが一番早かっただろう。





***





固く丸めた雪玉を握って、軽く振りかぶる。
休日ということもあって早速はしゃいでいる生徒達。


「いっくぞー」


ごっしゃァァァ! とおよそ雪玉とは思えない球が壁にぶつかる音を聞いて、五年生はピシリと固まった。


「よーし、もう一回」
「「ちょっと待ってええ!!」」


楽しげに目を輝かせる小平太に、五年生のツッコミが揃う。
相手チームの兵助と三郎と八左ヱ門だけでなく、味方チームの雷蔵と勘右衛門まで声を上げたからか、小平太は不満げな顔をしつつも持っていた雪玉をおろした。


「なんだよー、折角いいとこなのに」
「やっぱ七松先輩はダメでしょう!」
「確実に怪我人が出ます!」
「善法寺先輩に当たったりしたらどうするんですか!」
「なんで僕なんだよ、同じチームなのに」
「死にますよ!」
「死なないよ!?」


太陽と共に目を覚ました五年生はちょうど、夜間訓練を終えた六年生と遭遇した。
走り込みでもするかとのんびり裏山へ向かっていた最中のことで、真っ白な学園と五年生を見た小平太が「よし!」と叫んだのだ。正直何が「よし」なのか未だに分からない。
そして適当に別れた合同チームで雪合戦中なのである。
さすがに学年対抗は(命が)危ないので全力で拒否した。だって先輩何使うか分からないんだもん。(仙蔵、小平太、伊作あたり、そして非常に危険なことにその三人は同じチームだった)


「お前達と遊べてはしゃいでんだ、察してやれ」
「犬か!」
「小平太は犬だと思った方がいい……」
「中在家先輩がそれ言うんだ……」
「「頑張れ生物委員!」」
「おれぇ!?」
「だいじょーぶだ八左ヱ門!」
「全力で受けても死にはせんからな」
「死にはって……え、死に“は”!?」
「先輩方怪我したことあるんだってー」
「七松先輩の雪玉くらってねー」
「嘘でしょ!?」


八左ヱ門が喚いているうちに兵助と三郎はしれっと八左ヱ門を盾にした布陣を作っていた。






――
寒い日に書いてて放置してたもの。
彼等の遊びはいつも全力なのである。




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