武器の話

*特に決めてないけどたぶん五年生になるより前の話




「八左ヱ門があれなら、私も兵助みたいに近距離の武器にしようかな」

最近勘右衛門が万力鎖の練習をしていると聞いてからこっち、八左ヱ門は最近微塵の練習ばかりしている。そんな様子を見ながら三郎が呟いた。

「良いんじゃないかい。微塵はどの距離も行けるけど、寸鉄と戦うには相性悪いし」
「あれと臆面もなく戦えるのはあの人達くらいのもんだよ」

武器なし組み手ならともかく、武器ありの戦いで兵助に勝てる自信はまだない。兵助と嬉々として組み手をするのは一つ上の武闘派達くらいのものだ。
総合成績こそ三郎の方が上だが、幼い頃から鍛えているぶん戦闘になると兵助の方に分があった。
今だってとことん努力していることを知っている。だからこそ勘右衛門があの武器を選んだということも。

「でも兵助のように一点集中はちょっとな」
「そうかい?」
「それこそ七松先輩くらい体力があるか、潮江先輩達くらい鍛えないとだめだろう。あんまり筋肉がつきすぎるのは無し」
「なるほどね」

三郎の一番の武器は変装だ。そこを疎かにしてはいけない。言うと、雷蔵は頷いた。

「僕もそろそろ考えないとなあ……はあ、どうしよう」
「ははっ、まあゆっくり考えればいいさ」

うんうん考え込む雷蔵に笑う。
悩み抜いた彼が五人のバランスを考えた武器を選ぶのは、まだもう少し先の話。




――
武器の話ももっと掘り下げたいんだよなあ!
確か豆腐の謎の段のあとで「五年の武器が物騒なのは久々知のせいか(超訳)」みたいな感想があって、それにたぎって書いた話。


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -