委員会別三班に分かれて勝負!
*導入のみ
潮江と四年生主導でなんとなくの方向が決まった頃、偵察に行っていた久々知と道具の確認をしに行っていた善法寺が戻ってきた。
「ごめん、いろいろあって〜……」
「開始早々穴に落ちたんですか……?」
「いや君こそどうした?」
何故か二人ともボロボロの姿で。
「七松先輩と八左ヱ門に見つかってちょっと交戦しちゃいまして。まあ向こうも牽制だったみたいで、深追いはされませんでした」
「お前……で?」
何も掴まなかったということはあるまい。潮江が尋ねると、久々知はニッと笑った。
「生物委員会は毒虫や動物が管轄になるようで、つまりこの山にいる動物や虫、鳥なんかにも注意した方が良いです。用具委員会は火器を使ってみせると思いますが、撃てません」
「確かか?」
「偽の可能性も無くはないですが、少なくとも手持ちの火薬はしんべヱの鼻水でやられていました」
ふんと潮江が鼻を鳴らす。
「久々知お前、留三郎の足止めしろ」
久々知は愕然としてその場で膝を折った。
「どーーー見ても相性悪いじゃないですかぁ……」
「だからこそだろ。鍛錬しろ鍛錬」
「こんなときに鍛錬しなくても……!」
「大丈夫だよ久々知、火薬の後輩つけていいから」
「ありがとうございますって言うと思ってんですか善法寺先輩。それは当然ですよ」
真顔で言う久々知に善法寺は苦笑する。なんだかんだと図太い後輩だ、一矢報いるくらいはしてくれるだろう。
六年生は基本的に五年生に容赦がない。
「よし、じゃあ詰めていくぞ」
「……うう、短い命だった……」
「墓前には豆腐を供えてやるから」
「田村とうちの池田使いますからね! どうせなら町の限定豆腐買ってください!」
「はいはい」
わちゃわちゃと騒ぎ出すひと班を、木の上からなんとも言えない顔で見ていた尾浜が呟く。
「……意外と兵助と潮江先輩って仲良いですよね」
「なんだ嫉妬か?」
からかう立花に、尾浜はじっとりとした視線を向けた。