六年生:久々知は「豆腐」

*ミュ8弾ネタ
*記憶曖昧、レポ見つからんので若干内容に食い違いがあるかもしれないけど六年の久々知への評価が満場一致で「豆腐」だったのは事実です






六年生が五年生に、印象や長所・短所などを評価して渡す伝統行事がある。五年生は一番付き合いの長い先輩に指摘されることでなにくそと改善していき、六年生は下をよく見るという訓練の一貫。

そして当代五年六年。
こちらもまたそれぞれの印象や思うところ、長所と短所が細かく書かれていた。

ただ一人を除いて。

「ちょっと!! 全員豆腐ってどういうことなんですか!?」

微塵も物怖じせずに立花と潮江の部屋に駆け込んできた久々知に、集まっていた六年生六人は全員苦笑を滲ませた。

「長所でも短所でもないんですが!? 豆腐をどうしろってんですか極めればいいんですか!?」
「その、それはな」
「オチ要因ですか!? 楽しみにしてたのに!!」
「いや、落ち着け久々知」
「説明を! 要求します!!」

不破の迷い癖の指摘や竹谷の突っ走る傾向ありという短所、鉢屋の変装の腕前、尾浜の裏がありそうという印象。
そういうのを求めていたのだ。
豆腐て。ただの好物である。

「私達もちゃんと書こうとは思っていたんだぞ?」
「だが、あんまり書くことがなくてな」
「豆腐の印象が強いからなあ」
「……だったらもう、それでいいかと……」
「その、悪かったな……?」
「あんまり関わりなかったもんね僕ら……」

「地味って言いたいんですかねえ!?」

悪かったな委員会も学年も地味で!
うがー!と怒鳴る久々知は、その勢いのまま「先輩方のばかぁあぁぁ!」と言って走って行ってしまった。情緒不安定か。
とはいえ久々知の評価だけおかしいのはそれぞれ自覚しているので、なんともいえない表情のまま六人顔を見合わせた。

「……豆腐やったら機嫌直るだろうか」
「他の五年にも根回ししとくしかないな……」
「雷蔵に伝えておく……」
「まあ、兵助の反応も分かるんだけどね……」
「しばらく拗ねるだろうな、アレは……」
「けど仕方ないよなあ……」

小平太のぼやくような言葉に揃って頷く。
なんせ。

「短所も長所も分からん上、豆腐で全部上塗りされるとは……」
「ああ……成績優秀で武芸は達人、面倒見もよく人当たりもいい、好戦的だが冷静、知識も豊富で周りからの信頼も篤い」
「料理もうまいし、化粧もうまいし、体術も得意だし、かといって飛び道具や長距離武器が苦手なわけでもない。指揮官としても優秀、潜入もできる、無茶する傾向はあれど意地やプライドでは動かない」
「身内への演技は苦手でも、できないわけじゃない。後輩の指導もうまい。真面目だが柔軟さもある……素直でも騙されやすいわけではない」
「火薬委員会で火薬にも強いし、情報にも強いし、でも凄いと思えば豆腐の印象でそういうのも全部吹っ飛ぶし」
「得手も苦手も見つからず、豆腐の名ばかり有名になる。裏があるかと思えばそんなこともなさそうだし」

全く、本当に、優秀ったらない。

昨年散々な評価が下った面々からしてみれば、豆腐の一言くらいかわいいものだろう。少しくらい憂さ晴らしさせてほしい。素直に褒めるのは癪なのだ。


はてさて、久々知や他の五年生はこのことに気付くだろうか。素直に先輩ひどいと思っているかもしれないし、本当は分かっているのかもしれない。
分からないことが、褒めたいような、悔しいような。

先輩達のそんな複雑な感情などいざ知らず、当の久々知は尾浜に泣きつき豆腐であやされているのだった。






――
忍ミュ8弾ネタはちょっと消化したかったので。
全員「豆腐」で、それ以外のことが全く分からないし先輩も(豆腐が強すぎてそれ以外分からないことに)気付いていない……という久々知でも良かったけど、最近原作読み返してると思いの外五年と六年は仲良さそうなので

ちなみに、成績優秀は公式、武芸の達人・化粧がうまい・面倒見が良いは作者発言(ミュのパンフの又聞き)、長距離武器は昔あったゲームで火縄銃ばんばん使ってたようなので(又聞き)、飛び道具は寸鉄も投擲するようなので、好戦的はアニメの竹谷と喧嘩する回で先に手を出していたのと体育委員会(予算会議)や六年相手(アニメ六年対五年回)に焙烙火矢投げ込むから、変装も五年はうまいようなので演技潜入もできるかなっていうのと、指揮官・後輩指導うまい・情報に強いは火薬委員会での動きを見て。あとミュでよく周りを見て、まとめてるっていう印象だったので。指揮官。
っていう感じです。
あくまでも私の解釈。



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