二次創作の久々知のなのだぁ口調に耐えられなくて……夏。

*超メタ
*人の解釈全否定、語尾全否定してます





「会議ぃ!!!」
「「おわぁ!!」」

風呂に入って勘右衛門と兵助の部屋でそれぞれまったりしている中、用事があって不在だった兵助が帰ってきて早々そう叫んだ。



「……って、なんの会議だよ?」
「……まずはこれを見てくれ」

八左ヱ門の言葉に多少冷静になったのか、兵助は息を吐いてスマホ(うそやで〜)を四人に渡した。
何事かと中身を見て、しばらく。

「……えっと……なにこれ?」
「君ら知らんのか? これは二次創作というやつだ」
「にじそうさくぅ?」
「漫画とかアニメとか小説とかドラマとか……とにかくそういった作品を元に、自分達で妄想してつくる作品のこと」
「正確に言えば一次作品ありきの作品だね。二次創作を元に作ったものは三次創作とも言うし。テレビに出てるタレントさんとかの作品もあるけど、ああいうのも二次創作って言うこともあるらしい」
(※うそやで〜)

よくわからんが、と勘右衛門が尋ねる。

「その二次創作がどうしたんだよ? 見る限りおれらの二次創作ってことみたいだけど」
「そう。そこなんだよ」
「ええ? どこ?」

五人で車座になって座る真ん中に置いたスマホを指さし、兵助は苛立ち混じりに声を張り上げる。

「さっき食満先輩に教えて貰ったんだけどさ。おれの口調おかしくない!?」
「「……あ〜」」

なんで食満先輩に教えて貰うんだよ、という突っ込みは兵助の苛立ち模様によって消えた。食満先輩はこういうことに精通していて、兵助は何故かよく語り相手に連れて行かれるのだ。真面目に聞いてくれるのが嬉しいのだろう。

「確かに、なんか全ての語尾に"なのだ"ってついてるよね」
「すげえアホっぽい。見てこれ"ありがとうなのだ"って。すげえアホっぽい」
「なんか叩きたくなるよな……ああ、アレか。バカ○ンのパパみたいな」
「ん〜……でも二次創作って、原作ありきのものなんでしょ? どこかで兵助がそういう口調で喋ってたとか?」
「おれそんな常になのだぁみたいなアホな感じで喋ってることあったっけ!?」
「読んでないんじゃないの原作。アニメもミュージカルもドラマCDも」
「それ二次創作じゃなくね?」

調べてみないことには真偽も分からないので。
とりあえずスマホで"久々知 なのだ口調"で検索してみた。

「あ〜……。アニメ初登場の時に、"〜なのだ!"っていう台詞を、中の人がちょっと間延びして言ったのがはじまりみたいだよ」
「ええ……? それだけで……?」
「ほら、最初の頃ってまだキャラ付けもできてないし。兵助が豆腐小僧って呼ばれてたか呼ばれてないかくらいの時でしょ」
「一回やったことが強調されるのって二次創作あるあるだもんな〜。おれも一回アニメで脱いで、なんかすごく変態扱いされるようになったし」
「「あ〜……」」
「雷蔵なんて何もないのにドSで五年最強みたいな扱いだし」
「えっそうなの」
「勘右衛門はアニメとかミュージカルの影響で、なんか一枚上手なキャラに書かれることが多いよね」
「へ。そうなんだぁ」
「八左ヱ門は虫を食うキャラだな」
「えっ。……ああ、一回食ったしな」
「でも八左ヱ門はなんか太陽みたいなかっこいいキャラで書かれることも多いよ。おれ豆腐のせいで頭おかしい奴に書かれるの割と多いし。あと真面目だからって堅物扱いとか」
「……なんか、聞くだに兵助が一番被害受けてないか?」

むーと唇を尖らせる兵助に、八左ヱ門が苦笑する。三郎も苦笑しながらうーん、と頷いた。

「なまじ人気っていうか、顔がいいから兵助からこの世界に入る人がそれなりにいるみたいで。ネタキャラってやりやすいだろ。何してもいいから」
「兵助……お前保健委員会だっけ?」
「伊作先輩のがかっこいいのいっぱいあるよー! 六年は人気あるもん! 五年なんか一時期病気学年って呼ばれてたんだからな!」
「なにそれ!?」

うわーんと泣きだす兵助をどうどうと宥める。

「だからぼくの変態キャラ、兵助の豆腐で頭おかしいキャラ、八左ヱ門の虫キャラ、雷蔵のドSキャラ……で、勘右衛門が来るまでは割とそんなんばっかだった」
「まあ初期の頃はみんな大概ひどかったけど。でもみんな今はかっこいい作品も増えてるし。……おれ達がかっこいい作品も沢山あるし、変態キャラでもおれ達のこと好きだから作品つくってくれてるんだろ? ……それは嬉しいけどさ」

病気学年キャラは落ち着いてきたように思う。最近はそれぞれかっこいい話やほのぼのする話をつくる人達も多い。
堅物にされるのは気になるところだが、真面目=頭が固いと認識する人は多いのかもしれない。やたらと勘右衛門や八左ヱ門に憧憬する描写があったり、コミュ症扱いされていることもあったりするが、まあそれもいい。公式を見てそう解釈するような出来事があったのかもしれない。自覚はないが。友人達と委員会の後輩達大好きな自覚しかない。
まあそれはいい。
ただ。

「もうキャラ強くなったんだから語尾はいいじゃん……っ!」

公式で使ってない語尾はやめてほしい。
正しい語尾なら良い。原作のその台詞は正しく〜なのだという語尾を使っていた。だが"ありがとうなのだ"ってなんだ。全ての言葉になのだが付くってなんだ。おれはそんなにアホっぽい奴に見えているのか。何を見ているんだ。

泣きながら滔々と語る兵助に、他の四人はそっとその背を叩いたのだった。




――
最近は少なくなってきたけど支部見返してたらあるんだよね、まだ……
見た瞬間ブラウザバックするんだけど、もう何連発も当たってしまって辛くて辛くて。
この語尾がかわいいって言ってた人もいるから(公式じゃないのに。公式じゃないのに!)消えないんだろうなと思いつつ、吐き出したかったんだ……否定することそのものが嫌って言う人もいるだろうから、そこはすみません。
でもこの気持ちを変えるつもりはないです。久々知のなのだぁ語尾ほんと滅びればいいのにって常に思ってますよ。

まあ解釈違いの話と言われればそれまでなんですけど。


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