65巻その後妄想

*原作読んでないとたぶんさっぱり分からない
*自己解釈いっぱい





結局戦をしようと企む城などおらず、しんべヱが数刻ぶりに親子の再会を果たして終わった。
なんだあと言いつつも戦じゃなくてよかったな!と笑いながら学園に戻ってきたのだが。

「どうせなら、隣の控室も建て直してほしいです!」
「そうですよ、書類仕事はあそこでやるので、もう少し人がいられるようにしてほしいです」
「物置小屋を無理やり改装しただけですもんね」
「そうじゃのう、ついでだし控室も改築するか!」
「「やったあ!」」

そういえば久々知は、どこまで知っていたのだろうか。

喜ぶ顧問含めた火薬委員会と学園長、近くで微笑ましく見ている学級委員長委員会と教師達。
この二つの委員会は扇子の調査にも来なかった。

「あ、やべ」
「あっ。……おかえりなさい皆さん」

やべっつったの聞こえてるからな。
自分達に気付いてわざとらしい笑みを浮かべる学級委員長委員会の五年生二人に、戻ってきた上級生は頬をひくつかせた。

「三郎、勘右衛門、お前達どこまで知ってたんだよ……」

呆れたような八左ヱ門に、三郎と勘右衛門は慌てる。

「いや全く! 扇子を買った人は聞いたから知ってたけど、焔硝蔵のことはほんとに知らなかったから!」
「そうそう! ていうか問い詰めるべきはおれらじゃなくて兵助でしょ!」
「扇子のことは知ってたんじゃねーか」
「というか、久々知先輩は焔硝蔵の防犯チェックのこと知ってたんですかね?」

三木ヱ門の言葉に久々知を見やる。火薬委員会の後輩達ときゃっきゃしているさまからは、とても知っていたようには見えない。
が、上級生は知っている。
久々知が学級委員長委員会以上に食えない男だということを。

「……まあ、知ってたんだろうなあ……」

焔硝蔵の火薬を他の場所へ隠していたし。後輩達とおやつを食べに行くので困惑したが、あれも爆発する予定の焔硝蔵から後輩達を離すためだったのだろうし。

「じゃあもしかして、最初にカエンタケのじょんさんに話しかけたのも誘導だったんでしょうか?」
「話しかけた?」
「はい、先輩初登場のシーンで話しかけてらっしゃいました」
「自己紹介の時に火薬委員会って言って、じょんさんが食いついたんですよね」
「すぐに一年生が増えて、じょんさんが一年生に気をとられているうちにどこか行っちゃいましたが」
「たぶん、焔硝蔵じゃないでしょうか。あの時から火薬を移動させることを考えてたんじゃないかと」
「そういえば、土井先生がタカ丸さん達に指示出したときいらっしゃらなかったよね〜」
「というかあのとき、土井先生は久々知先輩が焔硝蔵にいたこと知ってらしたんじゃない?」
「確かに! じゃないとああいう指示は出さないかも!」

下級生達がわいわい騒ぐ中で、上級生達はなんとも言えない表情で顔を見合わせた。

「なんかもう、学園長先生に焔硝蔵のこと唆したのが久々知でも驚かねえわ……」

疲れたような文次郎の言葉に、未だに火薬委員会できゃっきゃしている久々知を見ながら、上級生は揃って溜め息を吐いた。





「やだなあ、ぼくが学園長先生を動かせるわけないじゃないですか。火薬の移動だって、焔硝蔵を狙う狙わないに限らず学園の中に曲者がいたら毎回移動させてるんですよ。そうでしょう、ちゃんと委員会活動もしてるんですよ。豆腐パーティーばっかりしてないです。……や、だから何も知りませんって、皆さんぼくのこと買い被りすぎですよ」

ちなみにこれが、後の委員長会議にて久々知がのたまった弁明である。

真相は結局分からないまま。しかし、上級生はほとんどの者が久々知は全容を知っていたのだろうと確信している。そういう食えないところがあるのだ、久々知兵助という男は。

焔硝蔵が頑丈に建て替えられることは、生徒達にとっても喜ばしいことだ。だから火薬委員会に文句を言うつもりはない。
ただ、だからこそあいつは火薬委員会の委員長代理なんだろうな、と。改めて、こいつ以上に相応しい委員長はいないな、と確信したのだった。








――
なんせ火薬委員会は隠蔽工作が得意ですからね。(文化祭でのカモフラージュしかり、火薬免許試験の暗躍しかり)
というわけで65巻妄想話でした。最終巻、改めて読んだらめっちゃ面白かったです。ただギャグでごちゃっとしてるから、何日かに分けて頭リセットさせないと内容入ってこね〜ってなりました すみません理解力乏しくて……一番理解できてないのはジンダ味噌が出てくる話なんですけど アレ未だに理解できてねえ……味噌絡めた話書きたいので頑張って読み込みます

memoにも書いたんですが、私が65巻で一番萌えたのは三木ヱ門と久々知に対する六いの反応の差でした
守一郎の曾じいちゃんを石火矢格納庫(焔硝蔵の近く)に案内する三木ヱ門に
→六い「あーあー、やっちゃったよ」「さすがにまずいだろ」
なのに対して
焔硝蔵の守りを固めろと言われていた火薬委員会がおやつ(豆乳プリン)を食べに焔硝蔵を離れたことについて
→六い「守りを固めるんじゃなかったのか?」「どういうことだ?」
っていうな!
状況が状況とはいえ、久々知が豆腐食べたいがために焔硝蔵を離れたとは微塵も思わないんだな〜って おいおい久々知……とはならないんだ?って
だってその前の巻で「豆腐は却下だせめて武器にしろ」と予算くれなかった会計委員長に凍らせた豆腐で左吉倒して「武器です!!」とか言ってた奴だよ、言われてたの潮江だよ
ここで欲を優先する奴じゃなく何か理由があるのか?って思われる久々知 そういうところですよ好き 昔豆腐優先して実習放棄する久々知書いたけど解釈違いになってしまったな……

三木ヱ門は四年生ゆえの未熟さみたいな感じなのかなーと思って、だからこそ四年と五年の間にも結構実力差ってあるのかな、と思ったのですが
後のことを考えて久々知が三木ヱ門に「ユリコちゃんで焔硝蔵撃ってくれない?」とか頼んでても面白いなーと思いました。ちなみにこれ書き直した話なのですが、昨日の時点ではその無茶振りシーンも書いてました 全部消えたけどな!


21.12.17 追記 調べ直してあれってなったんですが味噌の回と羽丹羽くん登場回ごっちゃになってました、理解できてないのは60巻羽丹羽くん登場回の話でした



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