五年六年で日常お題

title by「笑顔で乗り切れ! 5題」 空を飛ぶ5つの方法





「こ、こんにちは、食満先輩、潮江先輩」
「こんなところで会うとは奇遇ですねー」
「ここはおれ達の鍛錬所の一つだからなあ」
「そ、そうなんですか……」
「おまえらも珍しいな、勘右衛門と八左ヱ門の二人なんて」
「え、そ、そうですかあ?」
「た、たまにはいいかと思って……」
「へーえそうかそうか」
「まあいろんな組み合わせで鍛錬するのも大事だよなー」
「それよりもお前達、これから一緒に」
「今だ!散!」
「「待てやコラァアァァ!!」」
「「ぎゃああああああ!!!」」


1.敵前逃亡の心得
(視線を合わせて後ずさるようにゆっくり後退、一定の距離まで戻れたら、あとは振り返らず安全な場所まで一直線に走る!)





善法寺先輩を見つけたので、驚かせてみたくなっただけなのだ。

「せーんぱいっ」
伝子さんの顔で、物凄く可愛い声を出して声を掛けてみた。ら。
「へっ?」
まず振り返り、
「うわっ!?」
驚き
「え、」
躓き
「あ、」
見事にこけて
「あああああ!!!」
見えていた落とし穴に自分からダイブしていった。

「いやあの……すみません」
「いいよ…いつものことだし……」


2.悲劇と喜劇の作り方
(伊作と三郎を用意します。以上)





「雷蔵っ!そっち行ったぞ!」
「はいっ!」
七松先輩の指示通りに回り込めば、図書室に入り込んだ黒い害虫はすぐに見つかった。
じりじりと近寄り苦無を振り上げる。
「っく!」
しかし、殺気を感じたのか驚くほど速くヤツは逃げ出す。
毎度毎度、逃げ足だけは速いヤツだ。
「すみません逃げられました!」
「すばしっこいヤツだな!」
追ってきた七松先輩と数秒、視線を合わせる。
普段は何を考えているかよく分からない人だが、こういう時だけはよく分かった。
「……仕方ない、呼ぶか」
「そうするしかありませんね……」
深く息を吸って、吐く。それを二回繰り返してから。
「中在家先輩! アレが出ましたッ!」


3.天敵を確実に仕留める方法
(最終兵器長次)




※ちょっと血生臭い

無事に太陽が拝めたことに感謝する。
「ああ……朝日が眩しい……」
「豆腐を食べ過ぎてとうとう脳みそが溶けたか?」
鼻で笑う隣の先輩をじろりと睨んで、兵助は深く溜息を吐いた。
「暫く肉食えないですよもー…」
「普段から豆腐ばかり食っているだろうが」
「ていうか先輩の中のおれは豆腐しかないんですか」
「わりとそうだな」
「……あなたが火薬の調合を見てほしいとかいうからお付き合いしたんですけど?」
青筋を立てて言えば、仙蔵はからからと笑った。
後輩、特に一つ下をからかって遊ぶのが趣味のような男なのだ。
「まあ、今回は助かったぞ久々知」
からかうほど認めている、とも取れるのだが。
「え、先輩が素直にお礼いうとか怖い」
「ほう、もう一度実験に付き合いたいかそうかそうか」
「ごめんなさい」


4.恐怖体験から生還
(人が吹っ飛ぶ瞬間なんて、そう何度も見たいもんじゃないです)





ひょい、と避けられて、背中を思いっきり蹴られる。
ごり、と嫌な音がした。
「ぅぐっ!」
「はい終了」
その声と共に、するりと首に苦無が付きつけられる。
降参の意味で力を抜けば、それはすぐに離された。
「いやー、強くなったなお前達」
「嫌味にしか聞こえませんけども!」
「いやほんとだよ。楽しかったしね」
「…先輩が仰ると怖いですねそのセリフ」
「久々に本気が出せそうだったしなあ!」
「それ、出せてないってことですよね…」
「……筋は良かったと思うが」
「はい、どこかダメでした?」
「お前は突っ込む癖を直せ」
「いやあ、つい…」
「さて、と。帰るか」
「「はーい」」
まだまだ柳緑の背は遠い。
青藍は揃って溜息を吐いた。


5.基本は逆転勝利
(そんなもの許すわけが無かろう)






――
軽めのものが書きたくなりまして。
久々に二学年書いた気がする





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