たしかにそうだよな、そう言っておじさんは軽く笑った。

「俺はけして言ってはいけないことを言ったんだ」

「言ってはいけないこと?」

 ぼくは怖々聞いた。

「俺は、親父が無理やりやらせてるんだろ!もうやめるよ。……そう言ったんだ。嘘だった。確かに時々、自分の才能の無さに嫌気がさした。でも、そんなこと、これっぽっちも思って無かった。俺はいつか……、ギターで親父に認められたかったはずなのに。自分でぶち壊したんだ。だから、その一回で終わったんだよ」

「終わった?」

 ぼくは話の裏に、どんなことが隠されていたのか、考えもつかなかった。

「しばらく親父は何も言わなかった、でも、俺に向かって言った。“悪かった”それだけ言った。しばらくは本当にギターを触らなくなった。でも、やっぱり無性に弾きたくなってな……探した。でも、ギターは俺の前から消えてたんだ」

「消えた?お父さんが持っていっちゃったのかな」

「かもな……」
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