「違うんです。僕の正しい道はどこなんだろう、って。……明日進路相談なんです。僕はどこに行ったらいいでしょうか」
「なるほどね、でも、それはきいちゃダメよ。少年が正しいって思うことが正しいのよ」
「どういう意味、ですか?」

 僕は眉をひそめた。

「確かに犯罪に手を染めちゃう人は正しいとは言えないわよ?でもね、そうじゃなかったら、正しい正しくない生き方なんてないの。自分が良いか悪いかじゃないかしら」
「そういうものなのかな」

「ところで、良い男の見分け方って知ってる?」まりあさんは腰を屈め、僕に耳打ちした。

 何故ここで良い男の見分け方?
 だいたい、僕にわかる訳ない。

「お金持ちとか、優しいとか……?」
「話して心地よい声かどうか、よ。いくらお金持ちでも、器量がよくても、一緒にいて安らがないなら、その人にとっては良い男とは言えない訳。いくら、回りが良い人って言ってもね」
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