臆病な天気予報士と幽霊マニアの少年
- 6 -
それが〈悪魔の〉と言われている理由だ。
それ以上に恐ろしいのは、なれない分厚い本を読むだけでも精神的につらいため、なかなか読み進めることができない。終いには期限が迫り追い立てられ、無理矢理ことをおわそうとするため、提出し終わっても夢の中に音楽家の肖像画やメロディが絶えず現れ、苦しめるという。
「落ちるはずなかったのに」
「そうだよな。リベラルはいつも満点に近い成績だったのに。何かあったのか?」
そう言われて僕は口ごもった。ウェスリーにだけは話せる内容ではなかったからだ。けれど、僕は渋々話した。
「幽霊につかれたんだ」
(6/26n)
[*]前n|次n[#]
⇒しおり⇒戻る