私は食べるという行為に、嫌悪感を抱きます。

 このような詰まらぬ小事を言ったならば、それは即ち生きることが嫌いだと言っているようなものです。

 けれど、何故に食べるという行為はこんなにも美しくないのでしょう。口の中で舌が蠢き、食べ物を咀嚼する動きを見ているだけで、堪らなく吐き気が止まらないのです。時折、音を立てながら物を食べる人がいますが、そのような音を立てるような人と同席してしまったなら、その音に私の耳は侵されてしまって、食欲さえ失せてしまいます。そんな私は、好きな人の前では一切食べ物は口にしません。人間なのだから空腹になるのは至極当然のことですし、食事をするのも恥ずかしいことではありません。恐らく、友人には、そんな状態でさえ何も口にしない状態の方が不自然で恥ずかしいことだと思われているのでしょう。純粋さを装っている、どんな云われ方をされようが構いません。不自然と思われようが、心寄せる相手に醜い姿を見せるなど、恥以外の何物でもありません。

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