椋鳥






「ん…ぅぷ、ぁ…ぅ」

下方から厭らしい水音と共に、彼のくぐもった声が聞こえて来る。
下方、と言っても耳からは案外離れているし、むしろ後方に近いかもしれない。
今俺は仰向けに寝転がる彼の胸に腹を押し付けるような格好で、覆いかぶさっている。

「はふ…ん、ぁむ…ぁ、 ぅ…ん」

つまりだ、今彼の顔には俺の股がある体勢になっている。
勿論成り行きではない、尺八をさせるための強制だ。
腰を深めに下げているので、一度口に含んでしまえば簡単には抜くことが出来ない。
おまけに彼の口淫を素直に喜ぶ俺の物は確実に質量を持ち、徐々に彼の口を占拠していく。

「むぐ、…んっ、んぅん」

苦しいのだろう。
舌の動かし方で喉すら圧迫するこの姿勢だ。
漏れ出る声も、もう随分前から涙声になっている。
が、その中に甘さが混じっているのも又事実。

「…っん!!んん…っ!!んぅー…っ」

試しに軽く腰を揺らしてみた。
喉の奥にでも当たったか、先端が少し締め付けられるのがまた気持ち良い。
しかし余り深く突き過ぎると彼が嘔吐してしまう。
汚物処理など御免被りたいので、心優しい俺は少し腰を上げ彼の気管を開放してやった。

「んっ、ぇ…ほっ、げほ…んぷっ」

数回噎せ返った彼は、しかし酸素を取り入れるとまたすぐ俺の物にしゃぶりつく。
今までの調教の成果だろうか、随分と男の物が好きになってしまったようだ。

だが、嫌いではない。
やはり奴隷は従順でなくてはつまらない…少々反抗されるのはまぁ…面白くもあるが。

この体勢だと俺の目の前には当然彼の物が存在するわけで。
俺の物をくわえているうちに熱でも入ってきたのか、彼の物は既に中途半端に十分に屹立しており、わざわざ支えてやらなくても俺の口に先端を向けてくる。
むろんその鈴口からは、まだ白濁とまでにはいかないにしろ、それでも大量の液があふれ出ていた。

舌先でその先端を舐めてみる。
当然のことながら口の中にじわりと苦みが広がった。

「んぁ、ああぁあ…っあ!!」

同時に耳朶を叩く彼の嬌声。
どうも先端は弱いらしい。
銜え込んだときもなかなかに声を上げてくれたが、ただ舌を出すだけでも十分彼を感じさせることが出来るようだ。

「は…ぁ、あ…ぁぁ…」

根元を抑え込んでいなければ絶頂を迎えていたかもしれない。
たかがほんの少しの刺激にも大仰に反応してしまうのは、俺たちが時間をかけて身体を開発していったその成果だろう。
だらしなく汁を垂らすその一物を、再度深く銜え込んでやれば、彼はまた腰をわななかせながら高く啼いた。

「…休んでんじゃねぇよ、離すな」
「っひ…ぅ…んむ、」

口をすぼめて頭を上下に動かせば、感じているのか内腿ががくがくと震え始める。
あ、あ、と小刻みに喘いでいるのは、きっと限界が近い証拠だろう。
勿論まだいかせるつもりはない。
俺は親指と中指で作った輪で彼の根元を締め付けながら、只彼に尺八を強要した。




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