椋鳥



特に愛撫をしていないまま両膝の裏を持ち上げ肩へと乗せる。
何度使っても決して緩む事のない蕾は、今はまだ固く閉じられていた。


「…っ…」


前方から息を飲む音がする。
これから無理矢理捩込まれる事に恐怖しているのか、はたまた興奮しているのか。
その小さな穴を解すどころか、上半身とてまだ触っていない。
当然彼のそれも未だ中途半端な熱しか持っておらず、俺のものなど反応してもいない。
だがどうも機嫌の悪いらしい俺は、こいつの威圧的な態度をどうにか崩させたかった。

「ぶち込んで欲しいならぶち込んでやる
だが無理矢理ぶち込まれるのが嫌なら、次はもっと上手く誘え」

膝の合間から見える彼の瞳は、あからさまに動揺していた。

今更何を怯えている。
怯えているなら何故抵抗しない。
何故素直に怖いと泣かない。
理解不能な彼の心境に、俺の機嫌は益々損なわれていった。










「い…っ、ぐぁ…っ」

大仰に奴の身体が跳ね上がり、俺の肩に乗る膝が俺の首を絞めてくる。
無意識に閉じようとするその足を顎と片手で押しのければ、つい蕾に捩込んでいる三本の指がばらばらと動いた。

「ぎ…っ ゃ…、ぁ…あ」

中指に変わった感触を感じると同時に、彼の口から苦悶とも悦楽とも取れる声が滑り出る。
ほんの一瞬でも快楽を感じ反応する奴の淫乱さに、俺はなんだか舌打ちしたくなった。
まだ気持ち良くさせるつもりは無かったのに。

奴の穴の中はやはりきつい。
毎日毎日男の怒張をくわえ込んでるくせに、今は指三本ですら酷く締め付けられ上手く動かすことも出来ない。
これではもし俺が既に張り詰めていたとしても、許容的にぶち込むのは不可能だろう。
こいつが出血するとか痛いだとかよりも、俺が引きちぎられてしまいそうだ。

とりあえず無理矢理指を引き抜く。
前方から甲高い悲鳴が聞こえたような気がしたがまぁ、気のせいだろう。
先程まで指をくわえ込んでいた蕾は、小さくぱくぱくしているものの、まだもの欲しげとは言い難い。
やはりなにかで濡らさなければどうにもならないようなので、優しい俺はわざわざ自ら舐めてやることにした。
だがただ舐めるだけはつまらない。
特に俺の息子は不満足だろう。
こいつが立ち上がってくれないことには犯しようがないのだ。
にわかに首を傾げたとき、まず閃いたのは、こいつの蕾が解れたらこいつに奉仕でもさせること。
そしてふと思い付いた。
それを同時にすれば良いのではないかと。

妙な笑顔にでもなっていただろうか。
膝越しの彼は、ただ不安そうに瞳を揺らしながら俺を見つめていた。

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