あまく、深く
朝、目が覚めて君がいれば良い。
それだけで良いと俺は思う。
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心地よい日差しに目を覚ますと、お腹に重みを感じ身をよじる。
『あ、帰ってきてる、、』
隣には、愛おしい愛おしい彼の姿。
夜中に任務から帰ってきたのか、昨日までは見られなかったその姿に自然と頬が緩むのが分かる。
『義勇さん、おかえり。』
すぅすぅと寝息を立てる彼を起こさぬようにそっと呟き頭を撫でると、朝食を作るために身を起こす。
『っ、あれ、、ん?』
その瞬間、腕を引かれ気づけばもう一度布団の中に戻されて目を丸くする。
筋肉質な腕に抱き込まれ、彼の胸に頭を押し付けられると彼の香りが鼻の奥を満たして心地が良い。
『義勇さん、起きたの?』
「、、あぁ。」
相変わらず口数が少ない彼は口より先に身体が動くことが多い。
これは、もうちょっと一緒に寝ていたい、ということかな。と推測して彼を抱きしめ返した。
『おかえりなさい。今日は、』
「非番だ。」
『そうなんですね。』
ぼそりと呟く義勇さんはまだ寝足りないのか私の首に顔を埋めてすりすりと頭を動かしている。
それがくすぐったくて思わず身を引くと義勇さんの顔が上がり私の顔を不安げに覗き込んだ。
『くすぐったいですよ。ふふ。』
「、、そうか。」
『嫌なわけじゃないですから。』
「あぁ。なまえ。」
『はい。、、ん。』
私の言葉に安心したように微笑んだ義勇さんは頬に手を当てて優しく唇を落とした。
「なまえ、、ん。なまえ。」
『ん、、義勇、さん、ん、、』
ちゅ、ちゅ、と何度も何度も、確かめるようにキスをする義勇さんはキスの合間に私の名前を呼ぶ。
ついに組み敷かれるようになり見上げた視線の先には熱を帯びた彼の瞳。
「いいか。」なんて肯定するしか選択肢のない問いに、真っ赤になりながら首を縦に振ることしかできなかった。
2019.12.18