カキーンっ!!
気持ち良い音がグラウンドに響き渡り、白球がキレイな弧を描いて空高くとぶ。
『うわぁ…かっこいい…』
そう。白球を飛ばしたのは私の思い人…泉孝介だ。
孝介は私の幼馴染で、幼稚園の時からずっと一緒にいる。
そして…
私はずっと孝介のコトが好きだ。
でも好きなのは私だけ。
孝介は私なんかなんとも思ってないはず。
そう。私たちはただの幼馴染…
それでも私は、孝介のコトが好きなんだ。
今日もこうやってフェンス越しにあなたを見る。
ここはグラウンドに居る人達にとって死角だから誰にも邪魔されずにあなたを見るコトが出来る。
何分かたちバッティングを終えた孝介は、監督?らしき女の人に一声かけてグラウンドから出て行ってしまった。
『今日はもう終わりなのかなぁ…』
用事でもあって先に帰るのかと思って私もそろそろ帰ろうとした時…
「おい…」
うしろから声を掛けられた。
『えっ…?あ。孝介。』
そこにはユニフォーム姿の孝介が立っていた。
突然のコトに驚く私。
『どうしたの?練習は??』
「ん。今休憩中。りんご、お前はなにやってんだよ。」
『私?あぁ、たまたま通りかかったからちょっと野球部の練習を見て行こうかなぁーと思ってね。』
「嘘つけ。」
『えっ…?』
「お前、毎日ここ来てんだろ。」
孝介の言葉に背筋が凍る。
だって、ここはグラウンドからは相当注意しないと見えない所のはず…
一瞬目の前が真っ白になり、
「なぁ…」
孝介の声で現実に引き戻される。
「誰のコト見てんの?」
孝介がとても真剣な顔で聞くから、また私は驚いた。
『っ…それは…』
うっわぁー
あんただよ。なんて言えないぃ!!
どうしよう!どうしよう!
頭の中は大パニック。
「……れ以外…るなよ…」
『え?なに?』
「あぁもうっ!俺以外の奴のコト見んなってんだよ!」
『え。ええええ?!ななななんで?!』
さらに頭はパニック状態。
「だから!俺はりんご が俺以外の奴のコト見てんのがイヤなの!俺はお前が好きなんだよ/////!いい加減気づけバカ!鈍感!ドジ!マヌケ!」
頭が真っ白になる。
なにが何だか分からない…
孝介が…私を好き…?
『…しも…き////』
考えるよりも先に言葉が出ていた。
「ん?なに?聞こえないんだけど。」
さっきまで顔を真っ赤にしていた孝介は、意地悪な顔をして私を見ている。
あぁ、こいつ絶対聞こえてるな。
『ーっ!私も孝介と同じってコト!』
「え?なに?ちゃんと言ってくれなきゃ分かんないんだケド。」
あーー!もうこのドSめ!
『ああ!もう!私も孝介が好きって言ってんの!』
「ははっ俺も。りんご顔真っ赤だぜ?」
よく出来ました。そう言って私の頭を撫でる孝介。
「ああスッキリした!じゃあ、俺練習もどるわ。…っと、その前に」
チュっ…
軽く触れるだけのキスを落として孝介は練習にもどって行った。
好きだったのは、お互い様
(泉ー!なににやけてんだよー!)
(うるせー教えねーよ!あ、お前ら!りんごは俺のだからな!近づくんじゃねーぞ!!)
☆あとがき
どうも!
泉くん初夢です!
長くグタグタと書いてしまいました…
ゴメンなさい!
こんな駄文を読んでいただいたりんごさん!ありがとうございました!