『こーすけのぉおおお!アホーっ!!』
ーカキーンっ…!
『こぉーすけのおお!クソーっ!!!』
ーカキーンっ…!
バッティングマシーンから放たれる白球を重たい金属バットで跳ね返す。
ボールは"ホームラン"と書かれた板の少し横のネットに当たり、落ちていった。
どうしてこんなとこにいるかって?
もちろん、ストレス発散のため。
ストレス発散といえば、バッティングセンターでしょやっぱ。
『孝介なんか…』
愛しいはずの人の名前を呟き、少し寂しくなる。
ストレスの原因…
それはほんの些細なこと。
ただ孝介が、何人かの綺麗な先輩に囲まれて、私の目の前で楽しそうにおしゃべりしてた…それだけ。
それだけ…
『孝介のぉ、クソヤロおおおー!!!』
カキーンっ…!!!
最後の一球。
ボールはきれいな弧を描き、ホームランの板に見事命中。
「誰がクソ野郎って?」
そのとき、後ろで声がした…
聞き慣れた、私の大好きな愛しい声…
背筋の凍る感覚。
振り向くとそこには…
『孝介…』
その大きな瞳が私を捉えた。
反射的に反らしてしまう目。
『あっ…』
持っていたバットを孝介に取られる。
孝介はそのままバット置き場にバットを戻し、その後にぎゅっと私の手を握った。
あー、走って逃げんのは無理か…
「おい。」
『な、なに?』
「探した。」
『そう…』
「なにがあった?」
『別に?』
少し顔を上げると、孝介の不機嫌な顔。
その顔を見た瞬間、すぐに下を向く。
目が合わせられない。
孝介の顔が見れない。
孝介は、先輩がいいのかな?
孝介はモテるから私なんかじゃダメなのかな?
私、振られちゃうのかな?
バッティングセンターで何度も球を打ち、そのせいでできたちょっとしたマメの痛みもあって、嫌な不安が頭をよぎる…
『うっ…うぅ…』
堪えていたものが一気に涙となって溢れ出した。
「ばっ!ちょ!!なに泣いてんだ!?」
孝介の慌てたような声。
ゴメンね。なんでもないの。
小さく首を横に振る。
「なんで、泣く…?」
孝介が、もう一方の手で優しく私の頭を撫でる。
心地よい。孝介の手。
『ゴメンね。うっ…なんでもないの。』
孝介を、失いたく、ない。
ちょっとの嫉妬ぐらい、我慢で、きる、の…
「りんご…」
(俺が、こいつを苦しませてる…?)
(嫌だ。こいつは…りんごは…俺の傍で、笑ってなきゃ意味ねぇ…)
「ダメ。ちゃんと、言って…?」
孝介、口調が優しすぎるよ。
こんな話し方出来るんだね←
仕方ない。
『孝介が…先輩と話してて、ちょっと嫉妬、した…』
もうどうにでもなれ!←
そう思って、孝介の顔を見て少し膨れてみる。
すると…
「あー、なんだ。そんなコトかー!心配して損したー」
孝介はカラカラと笑った。
そんな孝介に少し…いや、かなりイラついた!
「なに膨れてんだよっ。(ニヤニヤ」
今度は私のほっぺたをツンツンしてくる。
あー、もうほんとどうでもいいや←
「ふっ…可愛いな…」
『はぁ?!///』
いきなり何を言うか!こいつは!!
相変わらず、孝介はニヤニヤしてる。
『ばっ!馬鹿じゃない(ぎゅぅ…
つかまれていた腕を引かれ、孝介の腕の中に閉じ込められる。
「一回しか言わねぇ。よく聞けよバーカ。」
バカはどっちだ。
「俺は…
りんごしか見てねぇ。」
耳元で囁かれた言葉に、真っ赤な孝介の顔。
それだけで、十分。
(ホームランの景品に、ペアカップもらったー♪)
(一個俺のだろ?)
(えー?田島にでもあげちゃおっかな?)
(田島殺す。)
(ダメぇ!!!)
☆あとがき
あ、わけ分からんwww
グダグダで長くってめちゃくちゃでゴメンなさい(ノД`)・゜・。
2012.3.4