3 ちょっとだけ…
朝。
今日も変わらず学校へ行く。
グラウンドの前を通ったとき、野球部は朝練をしていた。
昨日始まったばかりなのに頑張るなぁ。
あぁ、でもみんな楽しそうじゃん。
昨日、家に帰って考えたコト…
マネジ、楽しいかもとか、やってみてもいいかなぁ〜とか…
でも私は野球を知らない。
マネジもやったコトない。
きっとみんなに迷惑をかけてしまうだろう…
『草むしりだけとか…ダメかなぁ?』
ぼーっと歩きながらふとつぶやいた。
ホントだ。草むしりだけならきっと迷惑かけない←
すると…
「あっ!りんごちゃん!おはよ〜」
『ん?あっ!千代ちゃんおはよ〜……って大丈夫?手伝おっか??』
振り向くと、白い野球ボールがたくさん入ったカゴを持った千代ちゃんがいた。
千代ちゃんとは中学は違ったケド、小学校は同じてずっと仲が良い。
うっわ。大変そ……って…
『千代ちゃん!野球部入ったの?マネジ?!』
「うん。そうだよ〜」
『そっかぁ。ソフトボールにしなかったんだね。カゴ、一個持つよ。』
「ありがとう!
あたしね、ずっと高校野球が好きだったから。でも、マネジ一人だから大変なんだ〜。そう言えばりんごちゃん昨日見学にきたんだってね!」
『あぁ、うん。見学だけね。』
「入らないの?マネジ、楽しいよ?」
『うん。考え中なんだ。やってみよっかなって思うんだけど、私野球のコト全然知らないし、マネジもやったコトないから…迷惑かけちゃ悪いな〜って…』
「そんなコト絶対無いよ!何も知らなくったって、きっと出来るよ!」
『あはは、ありがと。監督も同じコト言ってたよー』
「えっホントー?」
あははと2人で笑う。
やっぱ千代ちゃん可愛いなぁ
その後、倉庫までカゴを持って行く。
そして2人で教室に向かった。
「ねぇりんごちゃん、今日も見学……私のお手伝いに来てくれない?」
えっ…
「あ、用事とかあったらいいんだけど…もし暇ならマネジの仕事ちょっと手伝ってもらいたいなぁ〜って…」
『い、いいの?!』
行きたい
「えっ?」
もう一度
『行ってもいいの?邪魔になんない?』
グラウンドに行って、みんなを見たい!
「もちろん!!ていうか、監督に連れて来てって言われてるしね!じゃあ、監督と花井くんには私から言っとくから!」
『うん!ありがとう!』
ちょっとだけ、千代ちゃんが羨ましかったのです…
(宮城さん今日も見学来てくれるんだってさ!)
(えっ!マジで!?)
(おー。しのーかが言ってた。)
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