[11 繋いだ手から]
「お友達なんだから、敬語は無しよ?私のことも、紅玉とお呼びなさい。」
『え!』
さすがに、皇女様を呼び捨てすることなんてできない!と首を横に振る私に意地悪な笑みを浮かべる紅玉様。
「あら、それなら私、怒りましてよ?」
『えぇっ!!』
り、理不尽…
「なまえ。」
『こ…』
「ほら!」
『こ、紅玉…』
「なまえっ!」
これはかなりいけないことなのではと、心の中で焦ったが、目の前の嬉しそうな笑顔になんでもいいと思った。
「ふふっ。それでなまえ、聞きたいことがあるの!」
『なん…なあに?』
急に話を振られ、敬語になってしまいそうなのをなんとか踏ん張った。
「ジュダルちゃんとは、どこまでいったのかしら?」
『へ?』
その質問に、再び頭に?を浮かべる。
『ど、どこまで…とは…』
「あら。あなたたち、付き合ってるのでしょう?」
『つ、付き合う?』
付き合うって、なんだっけな。
「だから、貴女とジュダルは恋人同士なのでしょう?」
恋人、恋人…
『恋人…』
「違うの?」
『わ、わからない…』
「はああ?!」
私の言葉に、驚きを隠せないといった、紅玉。
恋人かどうかなんて、考えたこともなかった。
だって、恋人って、恋人…
「なまえ?」
恋人と意識すると、なぜか顔に熱が溜まってしまった。
『考えたこと、なかった…』
「そう〜。ふふっ、まあ、いいんじゃないかしら?」
顔が赤いわよ。と笑う紅玉はからかっているんだなと思った。
「なまえ!朝っぱらからこんなとこにいやがったのかよ!」
『じゅ、ジュダル!!』
噂をすれば、とやらか。
「探したぞ。」と眠そうに、私たち2人の元へとやってきたジュダル。
「ジュダルちゃん、おはよう。」
「ババアも一緒だったのか。」
なに言ってんのよ、ずっと隣にいたわよ。と少し頬を膨らませる紅玉に、わりぃわりぃとジュダルは悪びれもなく笑っていた。
「なまえ、散歩いこーぜ!」
『えっ、あ、』
「なまえ、またお話しましょうね。いってらっしゃい!」
紅玉の言葉を待つ前に、私の手を握り歩き出したジュダルに、さっきの話を思い出してしまい再び顔に熱が溜まった。
恋人…
2014.3.18
紅玉かわいい