7 約束


「や、やめてくれ!!」



「死にたくない!!」



「かーちゃーーん!」








前までは争いも悲しみも俺にとっては楽しかった。





でも今は違う。


そんなことよりなまえに会いたいんだ。






だか、最近"組織"が変だ。



変というか、違和感がある。



気のせいかもしれないが。











争いの国を抜けると、急になまえに会いたいという気持ちが膨れてきた。




今は深夜であり、なまえは200%寝ているだろう。








絨毯から店の前に飛び降りる。





静けさに包まれた街。






裏の窓のカギがあいていたので、そこから入ることにする。






「いや、不用心すぎだろ。」






起きたら言っとかないとな。






寝室に行き、ベッドで寝息を立てるなまえをみたら、なんとも言えず愛おしい。







「なまえ」





頬に手をあて名前を呼ぶと、そっと瞼が持ち上がって、なまえと目が合った。







『ジュダル…?』






いつもと違いトロンとした目で見つめられてくらくらした。







『ジュダル、おいで〜』





完全に寝ぼけてるな、こいつ。






だが、布団を半分開けてくれたのでそのまま横になるとなまえはぎゅぅと抱きついてきた。







『ジュダル、ジュダル、会いたかった…』







「っ…!」






だめだ。かわいすぎる。







最近"組織"はあまり俺に自由な時間をくれなくなった。





だから、ここに来るのも久しぶりかもしれない。









「なまえ、俺もだ。」






『んー』





やっぱりまだ寝ぼけてるなまえ。







『ジュダル、ずっとそばにいて』





「あたりめーだ」





『ん、約束』






そうしてなまえはまた眠りに落ちた。






「なまえ、すきだ」






その声は聞こえていたのかいなかったのか。







朝になるとまた行かなければならない。







ジュダルは約束した。




"ずっとそばにいる"





だが、これが最後だった。




2人がこの街で会うことはもうなかった。


2014.1.11

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