[6 あのオレンジの光の先へその先へ]
最近少しおかしい。
最近というのは、ここ数ヶ月。
そう、なまえと出会ってから。
なまえといると心が穏やかになる。
俺のと違って、綺麗な黄色いルフを纏うなまえをうらやましく思ったりもする。
今日もいつも通りなまえが店を閉める頃になまえの街へ訪れた。
今日はお祭りでもあるのか、なにやら街が騒がしい。
そして、街の中心からたくさんの黄色いルフが溢れていた。
中心になにかあるのかと思いつつ、なまえの元へと急ぐ。
ここ2日くらい会えてなかっただけで、こんなにも会いたい。
それほどまでに俺はなまえに惚れているんだなと思った。重症だ。
店についたがなまえの姿が見えない。
もしかしたら、祭りに出かけているのかもと思い、街の中心にでることにした。
中心に近づくにつれて、やはりたくさんの黄色いルフが目に入る。
『あのオレンジの光の先へその先へ行こう〜♪』
なにやら歌声が聞こえてきた。
まちがいない、なまえの声。
街の中心に着き、その光景に目を見開いた。
街の中心のステージで、汗をかきながら大声で歌っているなまえ。
そして、なまえから溢れるたくさんのたくさんの黄色いルフ。
見惚れてしまった。
『ありがとう!では、次の曲!』
なまえがまた歌い始める。
すると、たくさんの黄色いルフが舞う。
「あいつ、ほんとになんなんだよ…」
なまえの歌を聞くとこんなにも、
こんなにも、あたたかい気持ちになる。
ああ、早く、早く会いたい。
ーーージュダルの心には変化が訪れていた。
だが、その変化を"組織"はいいように思わなかった。
〔あの小娘はよくないな。
〔あぁ、どうする?消すか?
〔そうだな、ジュダルにとって、害だ。
2014.1.11