[28 星の海に (完)]
『ストップストップストップ!!』
「っ、うるせーー。」
待て待て待て待て待て待て。
聞いていない。
空を飛ぶなんて。
シンドリアにて感動的なお別れを終えた途端、ジュダルに腕を引かれ気づけば空高く舞い上がっていた。
そう。絨毯とやらに乗って。
『無理!無理!!』
「あ?なにがだよ。」
高い所が苦手とかそういうレベルじゃないと思う。
星に手が届きそうなほど高くを飛ぶ絨毯。
咄嗟に自分の腕にしがみついてしたなまえを見るジュダルは心なしか嬉しそうだ。
『ジュダル、さん、怖いです。』
「ははっ、だっせー。」
混乱しているのか謎に敬語になっているなまえを引き寄せて、自分の腕の中に閉じ込める。
膝の上に乗せ、抱きしめてやると怖いのか顔を俺の肩に埋めてきた。
ぎゅっと目を瞑り、『うぅ…』などと言っているなまえを身体と2本の腕で感じる。
あぁ、これだ。
なまえが、なまえが腕の中にいる。
ずっとこうしたかった。
なまえ、なまえ。
なまえの香りが鼻を通って心を浸す。
もう絶対に失くさないように。
ずっとなまえの傍に居られるように。
『じゅ、ジュダル、苦しい…』
「あぁ、わりぃ。」
きょとんとするなまえ。
『ジュダルが謝るなんて!めずらし!』
人の気も知らずに呑気に笑っているなまえを見ると、少し苛立つが今はもうなんでもいいと思った。
『ジュダル…?』
なまえがいるのだ。
俺の腕の中に。
「なまえ。」
『ん?』
「もう一生、どこにも行くんじゃねーぞ。」
涙の跡が残る瞳をしっかりと捉え言うと、なまえは力強く頷いた。
2013.2.15
とりあえず終わりです!
始めから最後までグダグダですみませんでした。
ここまで読んでいただいた方は、本当にありがとうございます。
この続きは短編集のような形で続けていきたいと思います。もしよかったらまた読んでくださいね。
ジュダル、シン寄りと書きながら完全にジュダル落ちですね…汗
シンや、シンドリアの人たちも大大好きなので、これからはマギの短編も書いて行きたいと思います。
とりあえずひと段落、ありがとうございました!
菜義