22 歌が聞こえた


『や、ヤムさんこの衣装はちょっとその、露出が多いというか…』





「そうかしら?よく似合っているわ!」






お祭りということで、ヤムさんとピスティさんにおめかしをしてもらった。



のだが、なんというかその、恥ずかしい。







「さぁ、行きましょう!」





2人に手を引かれ部屋を出る。





外ではもう始まっているみたいだ。






わいわい、がやがや






この国の人々の活気は本当にすごいと思う。






そして、とうとうシンドバッドさんやシャル達がいるところまで来てしまった。





ああ、恥ずかしい。







「みんな!なまえ連れてきたわよ!」







ヤムさんの声と同時に、前に引っ張り出される。




バランスを崩しそうに、前のめりになってしまった。









……






顔をあげると、しんと静まえりかえった。






あれ、どうして?





不安になり、シンドバッドさんの顔を見ると、目が合ってしまった。





ああ、やっぱり似合わなかったんだこんな綺麗な服に髪飾りにいろいろ。






「なまえ!!!」




不安で目を伏せようとした時、シンドバッドさんに呼び止められる。





「よく、似合っている。とても美しい。」




『っ…!は、はい!』





顔に熱がたまるのが分かる。




心なしかシンドバッドさんの頬も赤い。




だけど、それはお酒のせいか。







ーーーー



「おい!なまえ!!」



お祭りも終盤。



酔ったシャルに絡まれる、の巻。





『うわ、お酒くさ…』




「なまえ!お前なんか歌え!」





『は!?』





急に言われても困るのだが。




「いいねー!歌ってよ!」

「なまえー!」

「なまえの歌だって!」





みんなその気になってしまっている。




『え、』




歌なんて知らない、と言いかけて止まる。




知ってる曲があるのだ、何曲か。




たぶん、それは記憶を失う前に自分で作ったであろう歌。






『わかりました。じゃあ、少しだけ!』






歓声とともにステージへ上がった。






息を思い切り吸って、歌う。







「これは!?ルフが!!」


「すごい、大量のルフ!!」



なまえが歌いだすとともに発生した大量の黄色いルフに、ヤムライハたち魔導師は驚愕の表情を浮かべる。





『あのオレンジの光の先へ。その先へ行こう〜♪』





人々はさらに賑わい、幸せで包まれた。


















ーーーーー



「なまえ…!?」



夜の海。


絨毯に乗った1人の少年は目を見開いて遠くの夜空を見上げた。



その目に映る、夜空へと続く黄色いルフの道。





2014.1.28


だんだんと、中途半端な感じになってきてしまい、申し訳ないです。

ちゃんとした反省文および謝罪文を近々書きたいと思っています。

いつもサイトに足を運んでくださる方、ありがとうございます。







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