[18 ひまわり]
「おい、鈍臭いの、お前名前は?」
カチン。
鈍臭いのとはなんだ鈍臭いのとは。
さっきから失礼な白い髪の人がニヤニヤ笑いながら聞いてきた。
そういえば、この人なぜか知っているような気が…
『ど、鈍臭くありません。なまえといいます。』
「なまえ、なまえ…ああ!お前がなまえか!」
白い髪の人はひらめいたようにそう言った。
「王のお気に入りって聞いたからどんなやつかと思ったら、こんなに鈍臭いやつかよ!」
そう言ってケラケラと笑ってみせた。
失礼極まりない。
でもやっぱり、この人どこかで…
『あっ!!!』
「ん?」
『剣術バカ!!!!』
「はぁっ?!」
『ヤムさんから聞いてます!剣術バカですよね?』
「…」
あ、私も失礼極まりない。
「おいマスルール。お前今笑っただろ。」
「いえ、笑ってないすよ。」
「はあ、いいか!よく聞け!俺はけっっっして剣術バカなんてのじゃねえ!俺のことはシャルルカン様と呼べ!それと、こっちのデカイのはマスルール。俺たちは八人将だ。」
八人将ということはヤムさんと同じ。
えらい人なんだ。
そうは見えない。白い方に限っては…
「おいチビ、失礼なこと考えてんだろ。」
『っ、チビじゃないです!剣術バカ!』
「剣術バカじゃねえ!シャルルカン様だ!シャルルカン様!」
『あなたみたいな人に様なんてつけたくありません。バカ。』
「っ!んだと〜っ!はぁ…じゃあ100歩譲って様は許してやる。バカはやめろ!」
はぁ、とため息をつくシャルルカンさんに無言のマスルールさん。
『わかりました。シャルルカンさんでいいですか。』
「もう今更お前にさん付けされてもって感じだぜ。呼び捨てでもいいぞ。」
『ほ、本当に?じゃあ、シャル!』
「っ…/// おう!なまえ!」
「先輩、顔赤いすよ。」
2014.1.20