[11 終わりと始まり]
ひたすら続く闇の中にいた。
どれくらいここにいただろうか。
頭が痛い。
頭や身体じゅうの痛みさえも、どうでも良くなるほどの闇。
嫌だ。怖い。
怖い。怖い。怖い。
頭がおかしくなる。
『いや…いやあ…いやあぁあぁああぁああぁあぁああぁあ!!!』
恐怖で意識が朦朧とする。
なにかが頭の中に入ってきて、めちゃくちゃにされる感覚。
『助けて!誰か!誰か!!!』
むやみに右手を伸ばす。
何回も伸ばしたが、1度も掴まれることがなかった右手。
『もう、いやなの…誰か、誰か、』
そのとき、一本の手が私の腕を引く。
その手は、そのまま私を引き上げていき。
ーーもう、大丈夫だ。俺がいる。
あたたかい、なにかに包まれる感覚。
心地よいあたたかさの中で、再びそっと意識を手放した。
2014.1.12