にゃんこ
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『寒い…』




白い息と共につぶやかれた言葉。

独り言ってやつだ。










でも実は1人じゃないんだなーこれが。











「にゃあ」







"拾ってください"の文字とダンボール

その中にいた、小さな一匹の猫が後をずっとついてくるもんだから、ついつい家に連れて帰ってしまったのだ。






夕食の食材を買い、家に帰る。






今日は、そろそろナルトが任務から帰ってくる。








『ナルト許してくれるかなぁー?』





「にゃ?」











家に着き夕食の準備をしていると、ガチャと扉の開く音。









「りんごっ!ただいまだってばよ!!」








『ナルト!おかえり!!外寒かったでしょ?先にお風呂にする?』











「あぁ、すげー寒かったってばよ。」










待ってましたとばかりに私をぎゅっと抱き締めるナルト。







「でもその前に、充電…」





『ふふっ…おつかれさま♪』






肩に顔を埋めて、甘えてくるナルトが可愛い。










そんな感じで、幸せにひたっていると足元で何かが動く気配…


そして、











「にゃあ、」







可愛いらしい声が響く。









あ、そういえばw








私はナルトから離れ、足元にいる猫を抱き上げてナルトに見せる。





ナルトは一瞬ビックリしたような感じで私と猫の顔を交互に見たが、すぐに柔らかい笑みを浮かべた。







「拾ったのか?」




ナルトはわしゃわしゃと猫の頭を撫でる。





『うん。拾ってくださいって…』





「そっか、こいつも1人だったんだな…」






少し寂しそうな顔をした後、今度は私の頭を撫でる。








ナルトの過去は、私だって知ってる。










1人は、つらい。










1人の辛さを1番知ってるのは、ナルトだ。









『ナルト、この子飼ってもい…?』






だから、こんな質問にナルトが首を横に振るはずないのだ。









「当たり前だってばよ!」








二カッと笑ったナルトは、誰よりも眩しくて、








『ナルト、ありがとっ!』






猫を下に下ろし、ナルトに思いっきり抱きつく。










しっかりと私を受け止めて抱き締めてくれるナルトが好きで好きでしょうがない。








「俺は、りんごがいたからここまでこれた。昔1人だった俺を、救ってくれたのはりんごだってばよ。」







いきなり何を言い出すのかと思って顔を上げようとするが、頭をナルトの胸に押さえつけられていて出来ない。







「こいつも、りんごに救われた。俺と同じだってばよ!」








今彼はどんな顔をしているのだろうか。





昔を思い出して辛い顔をしているのだろうか?



だとしたら一刻も早く笑顔にしたい。









そう思って顔を上げたが、その心配は無用で、











太陽みたいな笑顔のナルトがいて、










「こいつ、大切にしような!」










その言葉に私も笑顔になり、大きく頷くのであった。













(にゃあ…)

(名前、何にする?)

(俺は、なんでもいいってばよ!)

(じゃあ、ナルトの好きなもの!)

(りんご!あ、でもそれはダメだってば…ラーメン!!)

(…)

(今日からお前は、ラーメンだっ!)

(にゃあ)






☆あとがき

長くグダグダごめんなさい(>_<)






2012.2.11








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