4、ゴミが増えていく。
大うつけへと変貌を変えた私だが、あれからだいぶ時間がたった。と言っても三ヶ月なのだが。
あれから私は自分の体の限界を知り、体力を上げることだけに専念した。
子供ながらに、かなり体力ついたと思うよ?


私は金平糖をがりがり齧りながら外の月を眺めていた。
今日は綺麗な満月だ。
冬の空は空が綺麗に見える。星も月も格段と綺麗に輝きを放つ。
夜は好きだ。静かで綺麗で、心が落ち着く。
横になりながら、今では貴重な金平糖を食らいまくった。
我ながら贅沢していると思うよ。織田に生まれなかったらこう出来ないよね。
金平糖、まぁ、砂糖の塊なのだが。前の世界では金平糖なんて食べなくてもいいや!なんて考えてたのにね!
まさか、金平糖がこんなに美味しい物だと気づかされる日が来るとは思ってもいなかったよ。


「ふあぁ」と大きな欠伸を一つすれば瞳に涙が浮かび視界がぼやけて見える。
着物の袖で涙を拭けば目がすっきりして気持ちが良かった。鼻水も出てきたのでずずっとすすった。
そろそろ寝るか。もう、皆は寝てしまったのだろうか?

よいしょ。と子供とは思えないオッサンじみた掛け声をあげて私は立ち上がり寝具へと向かった。
ごそごそと寝具を自分の寝やすいように整えて私は就寝することにした。

どのくらい寝ていたのだろうか。
私はふと目が覚めた。人の気配を感じて、だ。
この世に生まれてからというもの、人の気配を敏感に感じ取ってしまい
今のように寝ていても自然と目が覚めてしまうのだ。
まぁ、便利っちゃあ便利なんだけど。時々敏感になりすぎるのは困る。

はぁ、と溜息をついてその気配に意識を集中すれば天井から人の気配がするということに気が付いた。

間者、忍びか・・・・。

気が付いていても寝たフリを続ける。すると、その人物はスタッと天井から私の部屋へ降り立った。
物音を立てずに私に近づく。気配は私が子供だからと思って完全には消していない。

馬鹿だな。

はっ!と心の中でそいつを嘲笑った。
こいつはド三流中のド三流だ!!!!

そろりそろり。そいつが私に近づき刀を抜き取った。
私の顔を覗き込むようにして見ている。本当に寝ているかどうか確かめているのだろう。
ぐぐぐっ、と私に近づく。その行為が何と鬱陶しくって私はもう限界だというように目を開いた。

相手がびくり、と肩を震わせた。

「手前、俺の寝顔を見るったぁいい度胸だな・・・・。」

子供ながらに低い声を頑張って出して脅した。
だが、相手は私が子供だと思って完全に舐めてやがる。
にやにやと気色悪い笑顔が布越しにでも分かった。
私は、むくりと起き上がり相手を見据えた。

「餓鬼の癖に威勢がいいな」

相手が言った。私は鼻でふんっと笑い「生憎ただの餓鬼じゃないんでね」と馬鹿にしたように笑って言ってやった。

「餓鬼は餓鬼だ。」

そう言って手に握っている刀を振りかざした。
振り下ろされる刀。

斬られる、そう思われた瞬間、ぴたり、と私の顔紙一重と言うところで刀、相手の動きが止まった。
相手は目を見開いて私を見ている。
ぶるぶると体を震わせているあたり相当力を入れているんだろう。

「お、まえ・・・まさか・・・。」

私はにやりと子供が見せるような笑顔ではない笑顔を浮かべ相手を見た。
私の目の前にある刀を手に取り刀を見た。

相手の後ろには黒い闇が動いていた。
その闇が相手の体に巻きつき体の自由を奪っていた。

「っ婆娑羅、者!?」

掠れる様な声をあげて言う相手に私はさっきとは違った子供が見せるような無邪気な笑顔を見せた。

私は何も言わずに相手の鳩尾を殴り気絶させ縄で縛った。

これが暗殺三回目の事である。




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bkm


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