3、小さな私の大きな夢。
私は部屋に一人篭り本を読んでいた。
こちっの方の字は最初見たときミミズが紙の上で暴れてるのかと思った。
こんなん読めるわけ無いじゃん!と思っていたのが一年ほど前。一年過ぎて現在6歳の私にはまるで自分の物のように字を操っていますけど何か?
やっぱり人間出来ない事は無いんだね。あんなに無理だ無理だと思っていたのに・・・。
成長したな、自分。

私は今物置から本を引っ張り出して読破しようと頑張っています。
知識と、字の勉強のために。
あ、勿論勉強だけのがり勉じゃないよ?ちゃんと刀や体術、馬術も少し教えてもらいました。

どうやら私はバサラクオリティーのお陰で運動神経は良い方らしく、さらに力も強い、動体視力もいい。となれば、もう私は最強と呼ぶしかないでしょう。

相手の動きを見て、教えてもらった急所に打ち込めば相手の人は倒れこむ。
刀の型とかはよく知らないけど、そこは独学じゃどうにもならない範囲だから教えてもらうけど
どうやらまだ皆私に教えたくないらしく、まだ教わっていない。
急所とかも、最初こそは教えてくれていたのだが、私がだんだん強くなっていくごとに教えてくれることは少なくなってきた。
最終的に何も教えてくれないので、急所は独学で医療の本を読んで調べた。
人体の急所は沢山あるんだね〜〜、なんて読みながら暢気に思った。

しかし、本を読めば色んな事がが沢山書いてある、前の世界には無いようなことが書かれてあってとても面白い。
一時期本に没頭してご飯を食べるのを忘れていたくらいだ。
昔の人の教え、中国なんかの本もある。面白いなぁ。

「吉法師様そろそろ朝餉のお時間ですよ」

そう言って私の部屋に居た女中さんが言った。私は「ああ、そうだな」なんて適当に返事を返した。

本をぱたんと閉じて、女中さんの方を向けば女中さんは廊下に出て、多分朝餉でも持ってくるのだろう。

さて、今日もまた一日が始まる。頑張って生きなければ!!
今日は何気楽しみにしている馬術だ!!
最初はお尻とか痛かったけどだんだん乗っていると痛くなってきて馬を走らせる余裕も出てくる。
馬は可愛い。私のお気に入りの馬は黒毛でしっかりとした体格の馬だ。(ちなみに雄!)
毛並みなんてつやつやしていて綺麗だし。しっかりとした面構えも気に入っているPointの一つだ!

私はさっさと朝餉を終わらすと、腹筋、腕立て、走りこみ等をして馬の元へ向かった。
今日は近くの森の中まで家臣たちと共に入っていった。
森の中は静かで、とても落ち着いた。馬の駆ける音と、時々風の音、鳥の音が聞こえる。
誰も話していないので話し声はしない。
まるで馬と一体になったかのように私は駆けていった。

馬術が終われば私は体術の方をはじめた。
よくある背負い投げや巴投げ、一本背負い。それに近いものをやった。

小さいから舐めるなよ、と言ってから大人を相手にする私。
舐めるなといわれても、やはり、怪我をさせるわけにもいかないし・・・。
という考えからでどうしても手を抜いてしまう。
私は、はぁと溜息をついて相手に背負い投げをすれば、自分に何があったのか分からない様子でキョトンとしている。

子供の中だと私が一番強いだろう。しかい、それではいけないのだ
誰よりも強くならなければならないのだ。

町で暴れて、大うつけと言われても、城の中でこれ等だけは頑張った。
何事にもギャップは必要だろ?的な感じで。

そんなある日一人の家臣が私に言った。
「吉法師様は一体どうしてそこまで頑張るのか?」と

その質問に私は笑顔で答えた。

「天下を俺の物にする為だ」と。

六歳にしてこの野望。
質問した家臣の方は頬を引き攣らせて笑みを保とうとしていた。




貴方様ならやってのけるでしょうと、誰かが言った様な気がした。



当然だ。




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bkm


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