2、愛なんて笑止。
赤ん坊の時は毎日が暇だった。
動けないし、歩けないし、立てないし、喋れないし。
そんな暇Lifeから逃げ出した私は現在5歳。
5歳なのに言葉ペラペラ口出しペラペラ動くし恐れを知らない餓鬼として崇められているか怖がられているかのどちらかです。
両親は私の事かまってくれないし・・・。それに母上は私よりも弟の信勝を溺愛している。

え、グレていい??
なんなの!?それでもあんたら私の親かよ!!!少しは構ってやれよ!!寂しくて死ぬぞ!?
クソッ、織田信長が大うつけとか言われていた理由がよく分かったよ。
私、もう、グレます。ここに宣言します。
私、織田吉法師はこれから大うつけに変身致します。


・・・という事で、私はこれから大うつけ(悪餓鬼)になります!!
まず手始めに庭の木に登って柿が生っているのでそれを食べたいと思います!!

私は五歳とは思えない俊敏な動きで女中さんの横を通り過ぎスルスルと木に登った。
下の斜め後ろから女中さんの悲鳴に近い声と「誰か、誰か!!」と人を呼ぶ声がする。
私はそんなことお構いなしに、木から柿をとってがぶりと噛み付いた。
あ、渋柿じゃなかった!!渋柿だったらどうしようかと思っちゃったよ!!
柿の皮ごと食べれば明日お腹をこわすかもしれないと思ったけど、まぁ、そんな事は置いといて、私はそのまま食べ続けた。
一個の柿を食べ終わる頃には下には沢山の人が居た。

うわっ、注目されてる。
恥ずかしいのと、こんなのやらなきゃ良かったと思う気持ちと
注目されている快感と、ざまぁwwという気持ちが混ざって何とも言えない気持ちになった。
その感情が何なのか考えるのが面倒くさくなってそのまま無視してまた柿をとって食べた。

足をぷらぷらと動かし空を見上げると太陽が近くに感じられて眩しかった。

「吉法師様!!降りて来て下さい!!」

という声が聞こえるがそれも無視した。
それよりも、下を見るがやっぱり父上と母上は来ていなくて、寂しいような悲しいような気持ちになった。
うわっ、最悪。

大体、あの二人は私の親じゃない。そう思っている。
私の親は前の世界のあの二人だけ。兄弟も認めない。兄弟じゃない。

私は木の上ですくっと立ち上がった。
下でおこる悲鳴のような声。
私は、そのまま下にDiveした。甲高い声が一斉に沸き起こった。
皆は、ああもう駄目だって思っただろう。

私はそのまま砂埃を巻き上げながら大地に両足で皆の前に着地した。
目や耳を塞いでいた皆は、私が無事な様子に驚いて目を丸くして見ていた。

だいたい、私がどれだけの所からJumpすれば死ぬのか死なないのか検証済みだし。

「俺があんな所から落ちて死ぬわけが無いだろう!!」

はははっ!!と、なんとも憎たらしい笑みで笑ってやった。
五歳にしてこの風貌。どうよ?織田信長として完璧??

まぁ、この距離からJumpして死なないってことはこれは現実上ありえないから、これは「BASARA」の世界!!

ってことはあの伊達主従や武田主従。その他の皆に会えるってことでしょ!?
小さい皆に。しかも、私は織田信長だし、権力はこっちの方が上、力も私のほうが上。
Wow!!なんていう素晴らしい設定なの!?これだったら難なく皆のところにいけるじゃん!!!

後は、私は大人になって、皆が生まれるのを待って、強くなればいいわけだね?了解。
誰からにも恐れられる存在になって見せましょうぞ。

まずは、刀や馬、銃の使い方。それに礼儀作法、勉学だよね。
前の世界では勉強とか死んでもやらない誠心だったけどこっちでは完璧目指してるから頑張ろうじゃないか!!
勉強とかバッチコイだし!!

私は部屋に向かって歩き出した。
そして、今尚目を丸くしている家臣や女中達に顔を向けると「何をしている。部屋に戻るぞ」と言って部屋に戻った。
後ろから慌てた様な声が聞こえてきた。

自分でもこんな五歳児嫌だな。皆頑張ってね。なんて心の中で思ってクククッと笑った。

私は部屋に戻ると字の読み方書き方を私に教える様に言った。
女中さんたちは驚いていたが私に自分光源氏計画(なんかちょっと違う)には時間が足りないんだよ!!
この馬鹿な脳みそに時間をかけてじっくりと刻み込んでやらなくてはいけないのだから。





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