12、愛でる意味がない。
俺はあの日から濃姫にかかわろうとしなかった。俺に興味が無い奴に興味なんて持てねぇ・・・。
なんていったって俺に対するloveが無けりゃあ愛することなんて無意味。
俺は愛を貰いその愛を体で返すだけだ。だから濃姫を愛す意味なんて無い。
俺は濃姫の代わりに俺に愛を注いでくれる女を捜しては体を重ねた。
体を重ねることにより相手はどれほど俺を想っているのかを知ることが出来る。
俺に愛が注がれているこの瞬間が瞬間が好きだ。

夜の用事も終わり俺は一夜限りの女のもとを去って城に戻る。
城の皆は俺が毎晩女を買っていることを知っている。
得にここ最近酷くなってきたと。確かに自分でも最近酷くなっているのが分かる。
まぁ、いいだろそんな事。俺は体を女と重ねたいから重ねるだけだ。
これは濃姫にも伝わっているだろうが、濃姫にはどうでもいい事だろ?なんせ俺に興味がねぇんだからな。

だが、いくら俺が女を抱いても何故か前の様な気持ちにはならない。
何かが足りない、満たされない。苛々としてきて最近は女に暴力を振るうようになった。

きっと、これは濃姫の拒絶が原因。
俺が好きにならない奴が居ることへの苛つき。思い通りにならない現実。
こんな俺を、「なんて自己中心的で自意識過剰なんだ」という奴が居るだろう。
実際俺だってそう思ってるんだからな。自分うぜぇ・・・・。
こんな苛々してる自分に苛々する。

なんで思い通りにならねぇのかなぁ。
まぁ、なんでも思い通りに行くのはつまらねぇがな。

俺はお気に入りの煙管を取り出すと火をつけた。
口に含み煙を出す。この瞬間だけ大人になれたような気がして好きだ。
背伸び・・・って感じか?大人に対する憧れ。早く大人になりてぇ。一国の主になりてぇ
さっさと親父・・・・俺に譲れよ。財産も権力も地位も。
全て全て、俺に。そうすりゃあもう少しこの世も動きやすくなる。

「信長様」

そんな風に考えている時に、後ろから小姓に話しかけられた。
「なんだ」と少し不機嫌そうに答えると小姓は身を固まらせ「怖い」表情で語っていた。
そんな小姓に鼻で笑って俺は「さっさと用件を言わねぇか」と言うと小姓は「は、はい!」と言って話し始めた。

「そ、それが・・濃姫様が信長様に会いたいとの事」

濃姫が、俺に会いてぇ??

俺は少し間を空かせてから「ねぇな」と小さく呟いた。
どうせ濃姫の女中あたりが言ったんだろう。濃姫が俺に会いたいなんてありえねぇ・・。

俺は「そうか」と一言だけ言うと再び煙管に唇を寄せた。




(濃姫視点)


あの日から私は信長様に謝りたくて仕方が無かった。
私は信長様に酷い事を言ってしまった。夫に対して・・・。

ああ、あの日の自分を悔やんでも悔やみきれません。
信長様が「言え」と言っても私は嘘を言えばよかったのに・・・。なんで本当のことを言ってしまったのか。

信長様は女の人の扱いに長けていて私なんて考え付かないことを信長様は簡単になさってしまう。
信長様にとって、最初にお会いになった時私に行った行為は普通のことだったに違いありません。
それなのに私としたら、自分の感情を優先してしまって。
馬鹿、自分の馬鹿!!信長様は素っ気無い態度の私の元へ何度も足を運び気軽に話しかけてくださった。
遊びにも誘ってくださったのに、私は・・・。

あの日だって・・・・、私があんなことを言って信長様は傷つかれた違いありません。
折角私に花を贈って下さろうとしてくださったのに。
私は信長様のご好意を次から次へと・・・・。

私はもう大分枯れてしまった私に送られる筈だった花束を抱きしめた。
綺麗な綺麗な花束。

そして、信長様は私の目の前に姿を現してくれる事は無くなりました。
いくら待っても信長様は来なかった。私は信長様が来なくて安心するどころか不安になった。信長様が来ないなんて・・。と。
このような気持ち初めてです。分からなくて頭が痛くなりました。
けれども唯一つ言えるのは私は信長様に会いたいという事です。

私は一言謝りたくて信長様を探しましたがいつも居ないのです。
しょうがなく小姓に信長様に伝えてもらえるようにと言いましたが・・・・。

それにしても、信長様はどこに行ってしまわれたのでしょう?
皆さんは信長様の居場所を知っているようなのですが教えてくださいません。

ただ一言「ごめんなさい」そういいたいだけなのに・・・。

「信長様・・。」

会いたいです。




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bkm


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