8、城の中を探検しよう。
私は、順調に成長を続け今は、ニ歳になりました!!

ビバ成長!!いやっほーい!!
この間までやっとハイハイ出来たよぉ〜〜とか思ってたのに
もう、ニ歳ですか!!こうして振り返ってみると成長は早いもんです。

「ちよぉ、こはぎぃ」
「何ですか梵天丸様」
「ひぃまぁぁ!!!」

まだ、舌足らずだけどここまで話せる様になりました。
こうして、自分が暇だと言う事も訴えられます。

「それでは、本でも読みましょうか?」
「それとも、お外に行きましょうか?」

わぉ!なんか最近二人とも双子みたいだよ!!
話すタイミングもピッタリ!!

けど、二人の言った事は賛成できないな。
正直本は読みたい気分じゃないし、外だって、あれ外じゃなくて庭だもん!!
庭飽きたわ!!!


「やーーー!どっちもいやなの!!」

駄々をこねれば、千代さんと小萩さんは困ったような顔をした。
いや、だってね・・・どっちも嫌なんだもん!!


「それでは、梵天丸様は何がしたいのですか?」
と、小萩がたずねた。

うーーん、そういわれると難しいな・・・。
確かに、私は何がしたいんだ?
暫く私は考えた。そして、考えた末に出た答えは。


「しろをたんけんしたい!!!」


今考えてみれば、あんまり城の中ってみた時ないんだよね。
ちょっと気になると言うか好奇心と言うか?
まぁ、そんな感じで?


「城・・ですか梵天丸様」
「うん!!しろぉ!!」
「しかし、梵天丸様・・・」
「しろぉぉたんけんするのぉぉぉぉ!!!!」


私は、小萩が何か言う前に叫んだ。
一度決めた事はまげねぇ!!まげてたまるか!!


私が、こうまで言ってもいいとは言わない二人。強情だなぁ(お前もだよ)

いいもん、こうなったら一人で行くから!!!


私は、後ろの襖から部屋を飛び出した。


「梵天丸様!!!」

千代が叫んだ時には、そこにもう私は居なかった。

ーーーーーー

一人私は、初めて見る廊下を歩いていた。幸いにも人は居ない。
うきうきした足取りで廊下を歩く私。
暇だって言ったのは本当だけど、城を探検したいっていう本当の理由は父上に会いたかったからなんだよね!!


だってここのところ会ってなかったし・・・・。寂しかったし?
義姫ばっかり来て父上は来ないってどういうこと!?
まぁ、色々忙しいからなんだと思うんだけど。

等と考えながら小さい足で一生懸命歩く私。
すると、ここである事を思い出した。


・・・父上の部屋ってどこ・・・・?


やっば!!会いたいがために飛び出してきたけど私父上の部屋に行ったことないんだった!


あーららこららどうしましょう。

とりあえずなんか今の状況に笑っておく。
いや、笑い事じゃあないんだけどね。


やばいやばいと焦りつつ、また人に見つからぬように・・(だって見つかったら父上のところに行けないじゃん)
けど、正直人に会おうかなぁとか・・。ただ道を聞くだけとか・・・・駄目かなぁ?
駄目だよね・・・。

ハァと小さくため息をついた

う゛うぅぅぅぅんんんん・・・。どうしよう!

私はどうしたらいいか解らずその場にしゃがみこんだ。


どうしたらいいんだよ!!父上どこだよ!!!
思わず涙目になった・・・・。(ぐすん



その時後ろから足音が聞こえてきた
ヤバイ、見つかった!?


と後ろを振り向くと、そこには私が今一番会いたかった父上が居た。


「梵天丸!?」


「ちちうぇ!!」


私は半泣き状態で父上に抱きついた。
すみません父上。父上の着物で鼻水と涙拭かせてもらいます。


「一人こんなところでどうしたんだ梵天丸。千代と小萩はどうした」

父上の声は驚きの中に少し怒ったような口調も混ざっていた

「ちちうえにあいたくて・・・ひとりぃ・・きた。」

一人で来た事を怒ったのだろう・・・。そう思ってだんだん声が小さくなっていった。

「そうか、梵天丸は俺に会いたかったんだな」

父上はそう言うと優しい言い方に戻り判泣き状態・・・・っといってもほとんど泣いている私の頭を撫でた。
その手が気持ちよくて目を細める。

「よし。それじゃあ梵天丸俺と何をしたいか言ってみろ。何だっていいぞ」

と嬉しそうに父上は言った。

それじゃあ・・・・。

「ちちうえにだっこされてる・・・・。」

「・・・それだけでいいのか?何でもしてやるぞ?
何か欲しいものとか無いのか?」

私は首を横に振った。

「ちちうえにだっこされてるのがすきなの!」

私は父上の着物にしがみついた。
父上はそんな私を抱き上げる。


父上の顔がより一層近くなった。政宗にも似た顔が。


ああ、父上かっこよすぎます。
鼻血が出ますマジで!!
私本当に幸せ者だよ!こんなかっこいい父上を持ってるんだから!!


本当幸せすぎます。








大丈夫です、幸せの次に悲しく苦しい事が来る事は当の昔に知っています
だから今だけはこの幸せをかみ締めさせてください。


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bkm

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