14、油断大敵。
このパターンからいくと私はもう五歳になったって言うのはみんなわかるよね。

そうです、私は五歳になりました!!


・・・・・もうこれは鬱としか言いようがない。
え?五歳?ゴサイってなに??おいしいの??
なんてボケても事態は変わらない。

いや、事態っていうかなんていうか。


てか、早くね?五歳とか早くね??なんかあっという間だったんだけど!!
私だけ??ねぇ私だけ??


・・・・・すみません。なんかもう五歳嫌過ぎてテンションがおかしくなってる・・。

だけどこれはしょうがない事なんだよ?だって私が疱瘡にかかるかかからないか・・・。

まぁ、ほとんどかかる確定だけど・・。


いやだぁぁぁぁぁ!!絶対痛いって!!

解っているのに逃れられない運命が一番嫌いだ!!

今なら、フリードリヒ・ニーチェの言葉が良く解るよ・・・・。


ま、そんなこと今はどうでも良いんだけど。


私は近くにいた千代に抱きついた。

千代は微笑みながら私を抱きかかえてくれる。
小萩も微笑んで私を見ている。

あーあ、私が疱瘡にかかったら千代や小萩は私に対する態度を変えるのかな。

そうだったら私悲しいな。


本当だったらトリップしてうはうはなのに何なんだこの状況は!!
やっぱり世の中そんなに甘くないんだね・・・・。

いや、わかってたけど。


五歳になってから私は毎日をビクビクしながら過ごしていった。

それと同時に誰かと常にいるようにした。

と言っても、千代、小萩、その他の女中さん、父上・・・・・小十郎はめったに会えない。
義姫は自分から避けてるけどうざいくらいくっ付いてくる・・・・。うぜぇww


そうして日々は少しずつ過ぎていった。


城の中を歩いていろんな人に愛想を振りまかなきゃいけないし??(最悪な子供)


敵は多いより少ないほうが良いし・・・・。なんて戦略的な子供なんだろうとか自分で思う・・・。

まぁ、その自分のおかげで味方は増えつつある。
この調子だと城のほとんどの人と仲良くなれる自信がある!!


そうしていくうちに私はもうすぐで六歳になるところまでいった。


あれ??もしかして私疱瘡にかかんないんじゃね?????


え、そうだったら私喜んで裸踊り踊っちゃうよ???
見たくないって??大丈夫解ってるから!!


・・・・・いくら待っても(待ってないけど)疱瘡の気配すらない。


もしかして、もしかすると???疱瘡無い??

運命変わった???

私がこう強く思うようになったのは後二ヶ月で六歳になると言う時だった。

頭の中の疱瘡フラグが消えつつある!!


私的には運命が変わったと言ってもらいたい・・・。

だけど油断は出来ない。

そんな心境だ。


そんな複雑な心境のまま私は今日私は父上にあった。


もちろん千代と小萩も一緒に。


残念ながら小十郎はいなかったんだけどかっこいい父上に会えたから結果オーライ!!

私は父上のの部屋に入ると真っ先に父上に抱きつき、膝の上に座る。

父上の香と、父上の笑顔はやっぱり落ち着く。


「よぉ、梵天丸!!会いたかったぜ!!」

「ちちうえ!!ぼんてんまるも!!!」


そういって抱きつく二人ははたから見たら素晴らしい家族愛かただの馬鹿だと思うだろう。

ちなみに、自分の事を梵天丸って言ってるのは、子供っぽさを出すためです。


父上に会えるのはたまにしか無いので、もちろん心配させるような事は言わないし、行動もしない。


おとなしくして、父上と普通の話をしてのんびり時を過ごす。

この瞬間がどれほど私は好きか。

小萩の入れてくれたお茶は美味いし、煎餅も美味いしww


私は、いつものように父上の膝の上に乗ると父上はいつものように手を私の前に通し
抱きかかえるようにする。

大きな手。


私はいつもこの手を見ると思う。

そして、痛そう。

手には、いくつもの刀傷がある。

私の手もこんな父上みたいな手になるのかな??


そう言えば家来の人たちの噂なんだけど、父上には背中には刀傷が一つも無いって本当かな??


もしそうだったら、凄いって思う。
だって、敵に背中を向けなかったって事だよね??


私は下から父上の顔を見た。

千代と小萩と話していて父上の顔は私のほうを向いていないけど
私は父上の顔を見つめていた。


父上が私に気が付いて「なんだ?梵天丸」って言ったから

特に何も考えてなかったけど、とりあえず「ちちうえのかおかっこいいなぁ・・・って」っと言った。


父上の顔がやばいくらいの笑顔になる。

私はこのとろけそうな父上の笑顔が大好き。

いや、父上は全部が大好きだけどその中でもって事だよ!!


私はそんな父上の笑顔を見ながら煎餅を食べた。

・・・ここのところ、なぜだかわかんないけど口の中が痛い。

口内炎かな??


私は気にせずそのまま煎餅を食べ続けた。


暫くすると父上の部屋に嬉しい訪問者が来た。
もちろん嬉しい訪問者とは小十郎の事である!!!


私は、父上の膝の上からは離れず、小十郎の方を見た。


なぜって??

私が萌えすぎて死んじゃうからだよ!!!私は頑張ってハグまでなの!!

それになんか、小十郎が来たからか顔が熱い。


小十郎はお茶をもらって父上と私の隣で飲んでいる。

あれ??小十郎ってまだ十五歳??十五歳にしてはしっかりとしてるなぁ・・・。


なんか、立ち振る舞いとかが前よりも大人っぽくなっている。

だんだん、私の知っている小十郎に近づいていく・・・。
嬉しいような、寂しいような??


まぁ、嬉しい事の方が勝ってるんだけどね!!

私は立ち上がって小十郎の側へ寄ろうとした。


その時だった。


私は急に体の力が抜けるような感覚に襲われた。

自分が今どんな事になっているか解らない。
体が動かない。

体が熱い。


私はそのまま小十郎に倒れこんだ。
体は動かないのに意識はしっかりしてる。


小十郎が唖然として私を見て、父上は怖い顔で私に近づいてきて
千代と小萩は顔を真っ青にして叫んでる。


あ、視界までぼやけてきた・・・。


そう思ったところで私は意識を手放した。



何が起こったのか全然わからない。


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bkm

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