11、ときめきなんて乙女みたい。
昨日小十郎を見てから私は小十郎に会いたくて会いたくて仕方がなかった。


昨日会ったばかりなのに。


んでかな?初めてのバサラキャラだからかな?なんて考えたりとかした。


昨日はお話できなかったからお話したいな。あと、小十郎に触って触って触りたいな(触りたいしかない。いやほかにもあるけど・・・。)


もっと近くに寄って近くで声を聞いて、近くで小十郎の顔を見て、近くで・・・・・なんだろう。とにかく、近づきたい。触りたい。


小十郎に会いたいけど前城を探検だなんて言って飛び出したから守りが強まっています。


今回は小萩と千代のほかに、部屋にいる女中さん三人。廊下にいると思われる女中さん二人。
計五人の女中さんが増えています。
こんなことなら脱走しなきゃよかったと後悔してももう遅い。


私は部屋の真ん中で女中さんとお話しています。
お話っていっても私はただ頷いてるだけだけどね。
いちいち話すのめんどくさいし・・・・。頷いてるほうが楽だし・・・・・・。
・・・・・自分でも最悪だなこいつとか思う。


あ゛あぁぁぁぁぁぁぁぃぅぇぉ。
小十郎に会いたい・・・・・・。こういうときに父上とか来てくれたら小十郎に会わせてもらえるのに。多分。


にしても小十郎かっこよかったな・・・・・。なんていうか、かっこよさがにじみ出る感じ。
顔も整ってて・・・鼻もスッーーーーとのびてて・・・・眼もきりっと・・・。・・・・・はぁ


私はため息をついた。


それを見た女中さんは私が疲れていると勘違いして布団に私を寝かした。


別に眠くないのに・・・。


ちらりと隣を見るとやっぱり女中さんがこっちを見ている。



私を見る目が怖い!!!


暇だ・・・・暇だよ!!!!
本当にお願いします!!!父上、それと小十郎来てください!!!!
暇すぎで死んでしまいます!!!

あ、義姫はこないでね☆


高い天井を見ながら心の中でエンドレスに願っていたら、なんか廊下から足音が聞こえる。


ま、まさか!!!!


「よお!!かわいい息子に会いに来たぜ☆」


「失礼します」





父上と小十郎キターーーーーーー!!!!



神に私の願いが届いた・・・・。
ありがとう神様!!!!!!!本当にありがとう!!!!!!


しかも、小十郎も!!!私嬉しくて泣いちゃう!!!



「し、しかし輝宗様。梵天丸様はどうやら眠いそうで」


そんなことはない!!!!決してない!!!!


私は布団からばばっと目にも見えない速さで動くと父上に抱きついた。



「梵天丸!!!」


「ちちうぇ!!!!」


がばっと抱き合う私達親子。


あれ?なんか父上泣いてね?気のせい?気のせい?


「どうやら輝宗様を見たら眠気が吹き飛んだみたいですね」


まぁ最初っから眠くなかったしね。



私は父上にぎゅっとされながら後ろにいる小十郎を見た。


嗚呼、なんてかっこいいでしょう!!惚れる!!てか、惚れた!!


父上は私の頭をなでながら小十郎のほうを向いた。


うほっ!小十郎が目の前に!!!


「小十郎、昨日会ったと思うが梵天丸だ!!かわいいだろ!!かわいいだろ!!!!」


私が父上のほうに頭をぽすっとすると父上は「あーもうかわいいなぁ!!!」と言って私をべた褒め。


さっきから何回かわいいって言ってんだよ。
ほら、小十郎も笑顔が引きつってるよ。



とりあえず私は小十郎に笑顔を振りまく。
だって可愛いって思われたいしね。小さいころからイメージ付けたいんだよ!!


小十郎は昨日見たときよりもかっこよくなった。(私がバカだからそう思うかもしれないだけかもしれないけど)


小十郎幼いなぁ、可愛いなぁ。(←!?)
あ、変態発言出ちゃった。


だってまだ十二歳。現代で言う小学校六年生。
大人なんだか子供何だかわからない時期。


私は父上の手の中から離れると小十郎のほうに近づいた。


なんか父上が「ガーン!!」っていう顔してる。

まぁ、気にしないで私は小十郎のほうにさらに近づく。


小十郎はどうしたらいいかわからないといったような顔で父上を見ていた。



どうやら父上は小十郎よりも私が手から離れたことにショックを受けているご様子。


あたふたとする小十郎に私はまだ傷の付いていない小十郎の左頬に触れた。


初めて小十郎に触れた場所、左頬。



私はまた父上のところにダダーっと戻って、父上の懐のところで誰にも見られないようにガッツポーズをとった。


よっしゃ!!!



小十郎を見るとポカーンとした顔で私を見ていた。

今考えるとこの小十郎の顔はレアかもしれない。

私は心のカメラで小十郎をこれでもかと撮った。


そして小十郎に意地悪な笑みを浮かべてやった。

誰も気づいていないだろう、私が生まれて初めてした意地悪な笑みを。


小十郎は私が笑ったからだろうけど笑顔を返してくれた。
何でも返してくれるのは嬉しい。


私はその小十郎の笑顔にときめいた。
何回目だろう。


ときめきだって!!!



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bkm

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