世の中は赤と緑と光輝くイルミネーション。大きな木には天辺に可愛らしい星を乗っけて可愛く飾りたる。
作られた雰囲気で人々は楽しげに微笑み他の者を愛した。元々は異国の文化であったクリスマスが日本に伝えられたのは江戸時代の頃だっただろうか?
今日はクリスマス。楽しい楽しい行事の一つ、世の中の人は家族か愛する者と過ごすこの日に悪事を考える者は少ないだろう。楽しい雰囲気は好きだ。知らない人が微笑みそれを見るだけでこちらまで楽しくなってくるからだ。


浮かれているのは子供だけでは無いと言う事だ。老若男女問わず今日は皆が浮かれる日だ。私もその中の一人で友達とクリスマスパーティーを開いている。
しかしまぁ私とその友達とパーティーを開けば一般の人は確実についていけない。どういう意味かというと、テンションの違いを見せ付けられると言う。
だってしょうがない、私達は俗に言う腐女子と呼ばれるものだから。そこら辺のヘタな芸人よりボケ、ツッコミ、話し、笑う。話題の中心は今好きなアニメ、漫画、ゲーム、BL。その中でもゲームの戦国BASARAが最近熱い。しかもハンパなく。
そりゃもう一度話し出したらテンションが爆発するまで語りつくし、夢小説を漁り、サイトを巡りに巡って初心に戻りその繰り返し。よくも飽きないこと。


それはクリスマスと言われる今日であっても変わりは無い。
皆がグラスを持ったところで私は立ち上がり友達の顔を一人一人見てから大きく息を吸い込んで口を開いた。


「今日はクリスマスだ野郎共!!!!!存分に楽しみやがれLet's party!!!!」

「「「「「「「YaーーーーーHaーーーー!!!!!!!!」」」」」」」


という事で楽しみますよ??楽しんじゃいますよ??
馬鹿みたいな掛け声を引き金に皆さん「え、本当に女子ですか?」みたなな感じでいっせいにご飯食べちゃってる辺り大丈夫なわけ!?!?!?!?
そんな事言う私も私で真っ先に目の前にあった肉に箸を伸ばしましたけど????何か????

ガツガツと皆争うように食事をするこの風景はとても好きキャラの前では出来ませぬなwwwwははっ
やはり私の友達は友達で食べながら急に生々しい話をし始めたり(主に下の)好きなキャラが描かれている漫画の表紙をおかずにご飯を食べたり、歌い出したり踊り出したり……


っ皆凄い!!!大好き!!!!わが道を行く皆が大好きよ!!!!!


まるで他人のことを気にしない風なこの光景に私は一人感動していた。
こんな雰囲気が大好きだ!!世の中のリア充どもめ見たか!!!!これがわしらヲタ充の集まりじゃあ!!!!!!怖いもんなんてないんだよぉぉぉおおお!!!!!

心の中でカップルとうふふあははしているリア充に中指を立てながら私はテレビに繋いでいたゲームを取り出し、スイッチを入れる。
すると好きなことをしていた野郎共が雄たけびを上げる。テレビ画面にでかでかと映った戦国BASARAの文字は見ているだけでこの変態どもの興奮材料となる。


キャラを色々と使えば後ろから「素敵ぃぃぃぃいい!!」だの「俺の嫁ぇぇぇええ!!」だの「もう抱いてぇぇぇええ!!」だの近所迷惑もいいところだ!!
しかしそこのところは問題ない!何故ならこんな風に騒ぐのは計算済み、だから私の家がパーティー会場に選ばれたのだ。
私の家の周りには田んぼと山しかないド田舎のとろこに家が建っているため近所迷惑なんて考えなくていいのだ!しかも家族はどこかに出かけているとなればもう、檻の中の猿如く……。部屋は妙な熱気に包まれるのであった……。


「大和俺の嫁の佐助出せよ!!」
「ふざけんな、俺の嫁の小十郎だろうが!!」
「なにおう!?私のダーリン政宗に決まってるじゃない!!」
「違う!アニキだ!!」
「馬鹿を申せ、日輪の申し子オクラであろう!」
「絆の力で天下を統べる!!!」
「イエヤスゥゥゥゥゥウウウウ!!!!!」

「いやいや、テメェ等黙れよ!!」
ビシッと私がツッコミをすれば皆決められたように「黙れ変態」と返された。ふぇーん泣きそうだよ。え?気持ち悪いから幼女の真似すんなって????マジwwwwサーセンwwwww


……と、これが日常テンションなのですよ!!
これでも皆さん普段は隠してますからね????生ける平成の忍者の如くですからね??????こうして仲間が揃った時に爆発させるのがまた楽しいんだよ!!


しかしそんな楽しい時間が続くわけも無く、むしろあっという間に過ぎていってしまうわけで、気が付いたらもうお開きの時間だった。
寂しい気持ちを押さえつつ私達は最後の王様ゲームをして1番と3番がドラゴンボールのモノマネをして終わった。

すっかり暗くなった家の外で友達を見送ってから私はさっきまで騒がしかった部屋に一人ぽつんと座る。
座ったもののゲームをする気も起こらず、コンビニで何か買ってこようと、寒い外に出て、自転車に跨り、夜の道を走った。
家から数メートル離れたところだった、耳にゴゴゴと低い音が聞こえてきた。それが地響きだったと知ったのはその直後。いきなり大地が大きく揺れた。地震だった。
震度は分からない。初めての大きな揺れに私は体はパニックに、頭は冷静に物事を考えていた。
早く逃げなければ。そう考えた時だった、何かが物凄い速さで私にぶつかって来た。そのぶつかってきた物を何か理解する前に私の意識は暗い底へと沈んでいった。


prev next
back


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -