▽スガ→タク
▽ツン…デレ?スガタ君です、注意




「スガタ!」

タクトが部活に誘おうと名前を呼ぶと、スガタは一瞬振り向いてすぐ視線を逸らした。


「あ、あれ?」

「タクトくん、何かしたの?」


その一連のやりとりを見ていたらしいルリがじとっとした目で見てくるが、タクトには全く心当たりがなかった。


「スガタくんがあんな風な態度とるなんて相当すごいことしないと有り得ないよ〜?」

「うっ……、だ、だよね」


タクト自身そう思っていたが、改めて第三者に言われると思っていた以上にダメージが大きかった。
だが、何かしただろうか、としょんぼり落ち込んでいたタクトは気付かなかった──スガタが静かにタクトを見ていたことに。






「スガタくんどうしたの?」

「……何が?」


結局、スガタはワコと一緒に部室へ向かうことにして歩いていた。すると、教室から出るまでは黙っていたワコが不思議そうにスガタを覗き込んでいた。

「タクトくんと何かあったの?」

「別に何もないよ」


そう笑って言うスガタにワコはふーんと言うが、どうやら納得してはいないらしく眉を顰めている。

「さっき本当はタクトくんに話しかけたかったんじゃないの?」

「…――」


ワコの言葉にスガタはただ黙り込んだ。あの時、何故だかタクトに名前を呼ばれて振り向くのが癪で無視してしまった。
自分でも何をしているのだろうと思ったが、タクトに呼ばれたことが嬉しかったのも確かだ。
普段は自分から声を掛けることの方が多いので嬉しかった、筈なのに何故か──

「つまり、呼ばれて喜んでる自分自身が恥ずかしくなって無視しちゃった……ってこと?」

「……多分」


スガタの話を聞いてこんなに脱力したのは初めてだとワコは思った。素直になれない恋する乙女か何かなのだろうか、この幼なじみ様は。

こんなスガタは初めてでワコは驚くと同時にそれだけタクトのことが好きなのかと思い、少しほっとしたような嬉しいような不思議な気持ちだった。
だが、今は少しタクトを哀れにも思った。
何故ならスガタが一回意地を張ったらなかなか素直になれないタイプなのをワコは分かっていたからだ。


「スガタ!何かしたなら謝るから!!」

「……別に何でもないからこっち来るな」

「その台詞じゃ全然説得力ないんだけど……」


教室から慌てて追ってきたらしいタクトはよく分からないながらも謝らなければと思ったらしく謝るが、スガタに邪険に扱われ益々しょげている。
スガタはスガタで素直になれなかったことに落ち込んでいるらしく暗いオーラを静かに纏っている。


色々耐えきれなかったらしいスガタが先に部室へ行こうと歩き出したのを追いかけるタクトという構図に廊下に取り残されたワコはひっそりと溜め息を吐いた。
とりあえず早く何とかなってくれないと優雅なお昼すら送れそうにないと思った。

「早く素直になればいいのに」

そんなワコの言葉はまだスガタには届きそうにはなかった。






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あれ、ツンデレって何だっけ??
ツンデレ攻めなスガタが書きたくてやった、反省はしてる(´・ω・`)
とりあえず、ツンデレ難しいねー





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