★5000hit企画
▽烏無さまリクエスト
▽スガタク甘甘



「疲れたー」

タクトのつい零れた本音を隣で聞いていたスガタは小さく笑った。そんなスガタを横目で見てタクトは釣られるように笑った。


「今日、泊まっていくんだろ」

「……い、いいのか?」

スガタはもうタクトは何回か泊まっているというのに今更何を遠慮しているのかという気持ちだった。だが、顔色を窺うようにしているタクトが可愛くてつい苛めたくなってしまう。

「やっぱり駄目って言ったら、どうする?」

「え、えぇ……」

「冗談」


そう言うとタクトが本当に少し落ち込んだ表情をしたのでスガタはすぐに笑って訂正する。タクトは拗ねるように口を尖らせた。だが、分かりやすい反応をしてしまったことが恥ずかしいのかタクトの頬はほんのり赤く染まっていた。


「スガタんちのご飯美味しいから楽しみだな」

そう言いながらタクトは腕を頭の後ろで組んで楽しそうに笑う。スガタはタクトの楽しそうな横顔を静かに見つめていた。


「美味しいご飯が出るから楽しみなの?」

「な、急になんだよ」

少し茶化すように笑いながらそう言うとタクトは真っ赤になって慌て始める。スガタはタクトのこういうところが好きだった。タクトはすぐ照れたり慌てたりするのが可愛いなと密かに思っていた。


「ご飯も楽しみだよ、美味しいし――」

夕焼けのせいだけではなく明らかに真っ赤に染まった頬を隠すようにそっぽを向きながら話すタクトをスガタは何も言わず見つめていた。
顔を逸らしても耳まで真っ赤なのですぐ分かってしまうのだが、それにはタクトは気付いていないらしい。

「でも、それだけじゃ、ない」

「……そう」


タクトはいつだって真剣だ。恥ずかしがり屋だが、言わなくてはならないと思ったことはどんなに恥ずかしくても素直に話す――そんなタクトがスガタには羨ましくて、そしてとても愛おしかった。


「スガタと一緒だったらどこにいたって楽しいし、幸せだよ」

「――タクト、」


呼ばれてとっさに振り向くとスガタの端正な白い顔がすぐ近くにあった。

近くで見ると益々綺麗だとタクトはぼんやり思っていた。長い睫が影を落としていることに気付いて新しい発見をしたようで嬉しかった。

だが、それ以上にスガタの綺麗な金色の瞳に獣のようなギラギラとした光があることに気付いて驚いていた。スガタでもこんな目をするのかと考えていたタクトの思考を沈めるかのように影が落ちた。

「……スガタ、」

ぽつりと零れた呼びかけに答えるようにスガタは薄い唇に静かに口付けた。

静かに二人だけの時間が流れていた。


二人は離れて目が合った瞬間に恥ずかしさを紛らわすかのように笑い合った






―――――――――
あとがき

烏無さまへ
リクエストありがとうございます。
甘くなりましたでしょうか、スガタク

では、ありがとうございました!



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