★5000hit企画 ▽あにこ様リクエスト ヘドタクで囚われタクトパラレル 「やあ、銀河美少年」 「……」 「ご機嫌斜めみたいだね」 ヘッドは鳥籠に囚われた少年に楽しげに笑いかけた。 そんなヘッドの様子を銀河美少年――タクトは不快そうな表情で静かに見つめていた。 「――何でこんなことを」 「気に入らなかったかな」 厳しい問いかけにも飄々とした態度を示すヘッドにタクトは眉を顰めて睨みつけた。 だが、そんな視線すらそよ風のように受け流してヘッドは静かに笑っている。 「君がここにいるのは運命なんだ」 「――運命?」 淡々と語られる内容に益々意味が分からず、タクトは訊ねた。 タクトの言葉に反応して顔を上げたヘッドはスッと静かに近付いてくる。そして、タクトはヘッドの手にある物に気付いてハッとするが、動けずただヘッドの動きを見つめていることしか出来なかった。 「…――っ!!」 「――大丈夫」 その言葉の信憑性が一体どこにあるというのだろうか。 ――ヘッドの手には嫌な輝きを放つナイフが握られていた。それに対する恐怖はタクトの中に確かにあった、だがそれ以上に何故という疑問の方が大きかった。 殺すつもりだったのならこんな風に捕らえて閉じ込めておく必要なんてなかった筈だ。では、何故――そこまで考えてタクトは妙に冷静な自分に気付いて不思議に思った。 「何時だって簡単に殺せるんだ」 「…――っ!」 そうしている間にもタクトに近付いてきていた、そして手に握られていたナイフを静かにタクトの首筋に当ててそう言った。 タクトは今更になって実感した、自分の命が彼に握られているということを。 しかし、ヘッドはタクトの怯えたような青ざめた表情を見ると満足げに微笑んでナイフを首筋から離した。 「――でも、そう簡単に殺したりしないよ」 ナイフをまるで玩具か何かのように手の内で弄びながら、ヘッドは鳥籠の中に落ちていた金色の首輪を拾い上げた。 「――、それは」 「よく似合うよ」 青ざめて固まってしまっているタクトを引き寄せ、細い首にそれを嵌めるとヘッドは不思議と心の隙間が満たされるような感覚に陥った。 これで、やっと 「ちゃんと鎖も繋いでおく」 もう一時の感情で逃がしたりしないようにちゃんと繋いでおこう、 「これからよろしく、タクトくん」 赤い糸の代わりに鎖で君を繋ぎとめることにした ――――――――― あとがき あにこ様リクエストありがとうございました! ヘドタクが綺羅星十字団×タクトということでしたので、ヘドタクにさせて頂きました。 ヘッドが若干病んでる感じになってしまって申し訳ないです。少し暗めなお話ですが、よろしければ では、ありがとうございました。 |