スガタ+サリナ スガ→タクだけどタクトは出てません 「好きなら好きって言えばいいのに」 「部長?」 サリナのふとした小さな呟きはスガタの中で大きく反響した。 「……どうしても言えないならせめて劇中の台詞にでも入れてあげようか?」 そうにっこりと小悪魔な笑みを見せる彼女はいつもと何一つ変わりはない。いつもそうなのだ、彼女は。いつもどこか一言一言に妙な重みがあり、何もかも悟ったような顔で語るのだ。 自分はそんな彼女のことを嫌いではない。頼りになる女性だと思っている。しかし、何を考えているのか分からないという点では少々苦手でもあった。 「ワコのこと、ですか?でしたらそれは…」 勘違いですよ、と苦笑いしながら伝えようとしたが彼女の否定の言葉によりそれすらできなかった。 「ううん、タクトくんのこと」 「え?」 「好きなんでしょ?」 あまりの唐突さに笑い出しそうになるのを堪えながら 「ないですよ、それは。ワコみたいなこと言いますね」 「あら、そう」 ワコの妄想癖というか悪い癖を思い出しまさか彼女までそのようなことを言うとは思ってもみなかった為本格的に笑いが込み上げてきてしまう。 すると、 「まさかと思ってたけど無自覚なのね」 その一言で先程までの込み上げてくる笑いが一気に冷め、呆然としたまま彼女の真剣そのものな瞳を見つめた。 「な、なにを」 「だってあんなに熱心に彼のこと目で追ってたじゃない。あんな目で友達のこと見る人いないと思うけど」 「そんなこと……」 呆気にとられていると彼女は憐れむような慈しむような不思議な瞳で僕を見つめてこう言った。 「あなたはそれこそワコの妄想であれば幸せだったんでしょうね、本当に。でもあなたは…」 彼女は去り際にそんな僕にとって耐え難く逃れることすら出来そうにない呪縛の言葉を残していった。 本当に彼女は辛い程の現実を言葉にしていく。無意識に目を逸らしていた事実を突きつけていった。 「あなたは彼を愛してる」 end サリナさんのキャラ掴めてないですね |