同じクラスで、隣の席の泉くん。野球部で、田島くんや三橋くんと仲が良くて、まだまだあどけない笑顔が印象的ななかなかの美少年。が、今までの泉くんの印象。だけど、隣の席になって気が付いた。泉くんは気持ち悪い。
「はよ、」 「……おはよう、泉くん」 「人の顔見て嫌そうな顔すんなよ」 「……すみません」 「ピンクと水色のボーダー」 「……」 「今日も当たりだな」 「…変態」 「何か言ったか?」 「何が聞こえた?」
ええ、おっしゃる通りですとも。私が今日穿いてるパンツはピンクと水色のボーダーですけど。そんなこんなで、泉くんは毎日、私のパンツの色と柄を予想してくる。しかも何故か全部当たってる。はっきり言って、気持ち悪い。
「盗撮とかしてんじゃないの?」 「バレたか」 「え、マジで!?」 「冗談に決まってんだろ」 「……」 「まあ…愛の力ってやつ?」 「…気持ち悪いからやめてマジで」 「明日の分も当てれるけど?」 「いや、当てなくていいから」 「当たったらどうする?」
人の話聞けよ。しかも今、古典だからね。小野小町の素敵な恋の歌の授業だからね。私のパンツの柄とか当てなくていいから。というか、気持ち悪いから!
「絶対当たらないから」 「じゃあ、当てたら俺と付き合えよ」 「いいよ。絶対穿いてこないから」 「明日は黒のレースで」 「絶対穿かない」
そんなこんなで、気持ち悪い泉くんとは今日でおさらばだ。明日からは普通の泉くんに戻るんだよ。あー私、いいことした。なんて、風呂上がりに私が手にしたパンツは。
………
「おはよう、泉くん」 「はよ……で、今日は黒のレースだろ」 「さあね、どうだろ」 「それじゃ、わかんねえじゃん」 「ねえ、泉くん?」 「何?」 「この時間帯って、保健室に先生いないって知ってた?」
|