一人の人に何度も恋してしまう、そんなことがあるのでしょうか?
駅の改札を抜け、大通り出て少し歩く。明日は土曜日。だから時間に余裕があった。時間を気にすることなくブラブラとウィンドウショッピングをして友達と別れたあと、いつもより遅くなって少し足早に駅へ向かった。
駅が見えてきたところで速度を上げようと踏み切った時、後ろから誰かに腕を掴まれた。その勢いで振り返ると、そこには。
「た、かせ…」 「やっぱりな…人違いだったらどうしようかと思った」
そう言って安堵したように優しく笑ったのは、腕を掴んだ主。私の、二年前の彼氏。何で今さら。私を捨てたのはあなたなんだよ。腕を振り払おうとするけど、がっちりと掴まれていてできない。掴まれた腕が熱くてたまらない。
「久しぶり」 「うん…」 「元気そうだな」 「何か、用?」
少し冷たく言えば、高瀬の瞳が悲しそうに揺れた。急いでるから、と少し付け足せば高瀬は納得したように腕を離した。そのまま踵を返すと、高瀬はまた呼び止めた。早くこの場から離れたい。
「何?」 「明日、同じ時間にここで待ってるから」 「…え」
それだけ言って、高瀬は腕を離した。何でまたそんなこと言うの?せっかく忘れようとしてきたのに。期待、してしまう。またあなたを、好きになる。私は呆然と人込みの中に消えていく高瀬の背中を見ていた。
そして私はその背中に、二度目の恋をする。
………………………
こっから高瀬と、どうちゃらこうちゃらしていくお話の予定でした。 あかん、まったく纏まってない。 お粗末さまでした。
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