黒尾と同級生 6

たまには心配する同級生。



やっぱり、部長ってのは大変なんだろうなぁと思う。
なぜそう思ったかというと、部長になってからというものの黒尾が落ち込んでいることが増えたからだ。

とくに今の時期なんか、まわりはみんな受験モードなのに自分はまだ部活に打ち込んでて、焦りもあるだろう。と、思う。

だからまあ、これは気まぐれだ。


昼休み、机に突っ伏してる黒尾の晒されたうなじに、ぺとりとココアをやる。
「うぉっ?ナニコレ生温かい」
「それ、間違って買っちゃったから。あげる」
「ん、サンキュ………って。これお前がいつも飲んでるやつじゃ」
「要らないって言ってるでしょ!」

つい語気が荒くなってしまってハッとする。しまった、こんなつもりじゃなかったのに。

「…やっぱり、違う」
「ん、やっぱ飲む?」
「違う。私はただ、あんたがずっとそうやって突っ伏してるのが…なんか、こう………。うじうじしててムカついただけ!」
「うじうじ、って…手厳しいな」

ああ、また間違えた!
全然、思ったことが口にできない。なんだか泣けてくる。
じわりと涙が滲んだ。けどそんなこと悟られたくなくて、強気に黒尾の目を見据える。

「元気、出しなさい」
「え?」
「あんたが元気ないと、私まで調子狂うし。珍しく、あんたアタマ撫でに来ないし」
「え、なに。待ってたの?」
「………んなわけないじゃん!ばか!」

例のごとくトサカヘッドに手刀をお見舞いした。
黒尾は楽しそうに笑って、私のほっぺたを引っ張ってきた。

「ちょ、離しなさい!」
「ヤダ。………ねえ、オレさ、お前のそういうとこすっげー好きだわ」
「うっさい、黙ってて!」


2015.01.25


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