黒尾と同級生 5

なんとかして黒尾にぎゃふんと言わせたい同級生。

「ねー黒尾。ちょっとだけ目、閉じてて」
「えっヤダわ」
「なんで」
「嫌な予感しかしねぇもん」
「なんもしないから」
「その笑顔が怖いんだって」
「いーこらゴチャゴチャ言わないで閉じる!」
「…たく、しゃあねえなぁ。20秒な」
「りょうかーい」

しぶしぶ目を閉じた黒尾の頭を、爪先立ちして撫でた。いつも私が黒尾にされてるのより数倍優しく。
ピクッと黒尾が動いた。
心の中でカウントする。10秒、20秒………今だ!

「ふんっ」
「うぐっ!…………え?」

腹パンをキメたら、ダッシュで逃げる!
教室を出る間際に「ばーか!」と叫んで、廊下を走った。追いかけてくる気配はない。

(ヨッシャ、成功!)




ーそのころ黒尾はー

「男子高校生がなんで教室の隅で体育座りしてんの」
「夜久」
「あ?」
「………あーゆう不意打ちって卑怯だとボクは思うんですよね」
「なんの話してんのかサッパリわかんねぇんだけど」



2015.01.25


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