プロローグ



洗濯物日和の穏やかな昼、研究室でそれぞれのことをしている男女が1組。




 男の方は、フラスコを持ちながら、なにやら難しそうな顔。
 眉間に皺が寄っているのにも関わらずどこかさまになっているのは、偏に彼の顔が女子受けするような、世に言うイケメンだからなのだろう。(ただし、よく見ないと気が付かないような、少し地味目なイケメンである。)
 一方の女は、それを横目にぎしぎしと音の鳴るパイプ椅子に座って本を読んでいた。
 物憂げ、というよりもどこか詰まらなさそうな雰囲気を出す彼女も又、美人と称しても差し支えない顔立ちである。



 やがて男は女を見、緊張の面持ちでこう口を開く。













「果たして君は、僕のことを本当に愛しているのだろうか。」


「―はぁ?」












                  (あいをかたることはむずかしい)




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