プロローグ
ーーこの町には、とある噂がある。
本当に判らないことがあったなら、助けて欲しいと思ったのなら、この町の一番古い神社へ。
そして、いくつもの鳥居が並ぶ道の途中。目を瞑り、祈るのだ。
『どうかどうかどうか。光り輝く異端の目、くるくるまいた包帯に、願いを込めよう血の赤に。』
そう言った後、目を開けてみればいい。もし彼が欲しいものを持っているのなら目の前には白い空間といくつもの扉、
そしてその中心に椅子に座った少年がいるはずだ。
彼は幼い少年のように見えるだろう。だからといって馬鹿にすると、そこで権利は剥奪される。
ーん?権利とは何だ?…そうだなぁ…その空間に存在する権利、だな。その権利がなくなってしまったら、きっと彼に会うことさえもできなくなる。
ーじゃあ話を続けようか。
と、言ってもあとは彼に事情を話すだけだ。ただそれだけ。
彼が了承したら、きっと君に鈴を渡してくれるはずだ。他に何かあったときのために、と言ってね。
その鈴は最初の鳥居で鳴らすといい。彼はその音をたよりとして君のところへやってくる。
そして、
解決したあと、彼は最後に御代と称して欲しいものを貰っていく。
それだけだよ。ただ、それだけ。
これは、そんな噂の彼と、助けを願った少女のお話だ。
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