仮想現移理論(幽平&暁子)


「おっす!おはよ、幽平!!」
「……ああ、暁子か。おはよ」
「……なに?何かあったの?」
「いや、別に?」
「そう?」

今日は4月1日。1年に1度の嘘を吐いてもいい日である、エイプリルフール。……嘘の一つや二つ、吐いてやろうと思っていたのに。どうやら今日の幽平は御機嫌斜めのようだった。

「なー、幽平」
「……なに」
「今から嘘、吐いてもいい?」
「……いいけど」

冷たい目で私を見る幽平に、微笑みながら告げる。これは、嘘だ。叶うことのない、嘘。









「俺、ずっと幽平と一緒にいたかった」


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