あいことば(葦諱&詩歌)
「実は僕女だったんだ、嘘だけど」
「そうね。今日はエイプリルフールだものね」
顔を見合わせ笑う。エイプリルフールなんて有名なイベント、彼女が知らない訳がない。それなのに態々嘘を吐いたのは、只単純にどんな反応をするんだろうか。なんて思ったからだ。まあ、予想道理の反応だった訳なんだけども。
「ねぇ、聞いてくれるかしら?実は私男だったの、嘘だけど」
「君が男で僕が女だったら、どうなっていたんだろうねえ」
「いやねえ、簡単なことよ」
「そうだね。簡単なことだ」
きっと僕達は、何も変わることはないのだろう。
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