プロローグ00


鈍く輝く夜と混沌としたマーブル。その夜はまるで黒や紫、恐怖や混乱を連想させるような色が息づき、混じりあっているようにも見える。そんな中、薄暗く輝いた月は言った。

「君達は外来の神と出逢い、そして狂乱に陥るだろう。」

月はそう言った後、意味深に微笑みぐらぐらと揺れた。そして歌うように続ける。

「逃げるのだ、若人よ。君達は外なる神に恐れをなし、尻尾を巻いて逃げなければならない。何故なら、君達は無力なのだ。」

やがて月は端の方からぼろぼろと、まるで星屑の祝福を君達に贈るかの様に崩れ始める。それでも尚、月は笑いながら続けるのだ。

「嗚呼、哀れな君達!矮小な君達はどうしようもないものに尻尾を巻いて逃げながらも、探索の手を止めようとはしないのだ!逃げながらも、君達は知ってはいけない深淵の淵を垣間見ようとしている!!」

吠えるように月は歌い、そうして君達の手に星屑の祝福を残す。

「笑え!隠せ!暴け!君達は無力だ!嘘の塊に立ち向かい、外なる神から逃げるのだ!!」

そうしてぐらぐらと揺れた月はとうとうその形を崩した。




【クトゥルフ神話~クトゥルフの呼び声~】

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