化物たちの平凡な日常（はじまり）
「―〜でね！―〜〜っ！」
「―〜だよな！〜〜とかさ！」
「マリーとシンタローくん盛り上がってるね。」
「―だな。」
『一体なんの話してるんでしょうね？』
「あれ？エネちゃんいたんだ？てっきりあの中に混ざっているのかと思ってたんだけど？」
『狐目さん失礼ですね！私だって空気くらいは読みますよ！』
「―そうなのか。」
「へえ、でも、いつもなら絶対に話に入りそうなんだけどなあ…」
『狐目さん、しつこいです。』
「―エネ。やるか？」
『―さぁ？どうしましょうかねえ…？』
「じゃ、じゃあ僕、シンタロー君とマリーのとこ行ってくるから！！じゃあね！」
「―と、言ったはいいものの…どうしようかなぁ…？」
「―〜っだったのか。」
「―とりあえず、そこら辺に隠れて二人の会話を聞こうかな。」
「じゃあシンタローは化物以外になんて呼ばれたことがある？」
「死神。天才。異常者。異端児とか、そんな感じだったと思う、マリーは？」
「私は、メデューサ。食人鬼くらいかなぁ…？」
「食人鬼って…ん？そういえば、マリーは人を食べるのか？」
「いや、食べないよ？―あ。でも、シンタローは食べてみたいかもしれない…」
「カゲロウデイズを攻略できたらでいいなら、いいぞ。―だから、今は止めろよ？解ったなら今すぐ俺の腕に噛み付くのを止めろ解ったな今すぐにだ！！」
「―む、美味しかったのに…」
「む、じゃありません！―この調子だと攻略後とか俺、ダルマ状態になりそうだな……それは流石に止めてくれよ？？」
「―うん、善処はする。」
「善処って、お前なぁ…俺はその状態になったとき誤解ができても知らないからな。」
「―別に誤解が生まれたのなら、それはそれで…」
「や め な さ い ！」
＊
＊
「―誤解、生まれちゃったね。」
「まったく、お前のせいだからな、マリー。」
「いやだなあ、誤解させるような行動をしている私たちが悪いんだよ？つまり、私だけじゃなくてシンタローも悪い！！」
「連帯責任なのか！？俺、何も変なことしてないのに！？」
「してたよ、誤解させるようなこと思いっきりしてた。」
「―まじで？」
「―まじで。」
「えぇ…」
「ふふ、誤解の果てにメカクシ団内で、私たちは結婚してるんじゃないかって噂も流れてたみたいだね？」
「―なんだそれ？」
「一時期キドたちが私たちを見つめていたとき、あったでしょう？あの時その噂が丁度流れてたみたい。」
「ま、まじか。だからあんなに見つめられてたのか…」
「意外、シンタローは恥ずかしくなかったの？」
「恥ずかしすぎて、足があったら走って逃げていたところだよ…」
「足、ないけどね。」
「マリーが食べたからだろ！こらっ、素知らぬふりはやめろ！」
「何の話かな？」
「―ったく、」
「それにしても、なんで私、腕は食べなかったんだっけ？」
「いよいよ物忘れが始まったか。―あれだろ？俺がパソコンしたいから腕は嫌だって言ったからだっただろ。」
「ああー、確かそんな理由だったっけ。それと、私。物忘れなんて始まってないもん！シンタローのばかっ！！」
「―いたっ、いた、いたいって！！悪かった！俺が悪かったから！」
「――むぅ。今回だけだよ？」
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