2: ラクシアの神々

ラクシアの神々
 始まりの剣に触れた者達。触れた時期や誰かに導かれて触れたかなどによって、神のランクが違うようになっている。神々の神格には古代神(エンシェント・ゴッド)、大神(メジャー・ゴッド)、小神(マイナー・ゴッド)の三種類が居る。神々の力は信仰者が多ければ多いほど力を増すとされている。


古代神はシュネルア時代に自ら剣に触れて神格を得たとされている者達で、信仰は大陸中に広がっていてそれなりの街には必ず大きな神殿がある。


大神は古代神の導きによって神格を得たと言われている神であり、古代神ほどではないが遺跡などがあれば存在を知られている。


小神は神格を得てまだ日が浅い、信者が少ない神のことであり、力は少ないがその分喚びやすかったり姿を現しやすかったりする神。



信者が多い神は広い地域の者に力を繁栄できるが、信者の少ない神は狭い地域内でしか力を発揮することが出来ない(ルールにも反映されている)。信者が絶えた神は滅びるとされている。古代神や大神の一部には始まりの剣無しでも神格を与えられる者が居るらしい。が、古代神も大神も通常は姿を現すことはない。逆に小神は肉体を起こして奇跡を起こし信者を集めることもあると言われている。また、古代神や大神であっても信者が減って小神並みに能力が落ちた時は、肉体を生み出して降臨し、信者を集める事もある。


主な神々は以下の通り。これ以外にもいくつかの神が居ると言われている。


古代神(エンシェント・ゴッド)

始祖神ライフォス
 第一の剣、ルミエルに触れて世界で最初に生まれたとされる神。調和を尊び、友愛を大切にするように解いている。現ライフォス教団は蛮族との戦いに積極的であり、魂の汚れを否定している。対蛮族用の呪文を沢山持っている神。神々の王とも呼ばれ、他の神々よりも上位の存在であると信じる信者が多いが、異論を唱える者も多く居る。


太陽神ティダン
 ライフォスの腹心と言われている神。天候を操り世界に豊和をもたらしたとされている。地方によっては豊穣の神や祟り神とも言われている(太陽神のため)。基本的に争いを好まず、分け隔て無く冨を分けろと言うことを教えとしている。また、ティダンはアンデッドを嫌悪していたと言われており、信者はアンデッド退治を積極的に行っている。

戦神ダルクレム
第二の剣、イグニスに触れたことで初めて神格を得たと言われる神。神々の戦争を起こした神として非常に有名。解放と破壊を司っていて、しがらみや束縛を破壊することで真の姿が現れると説いている。魂を穢れさせることも推奨しており積極的に戦うことも肯定している。勝つために卑怯な事も肯定はしているが、「力で屈服させる」と言う教義が最優先されるため「正面から叩き潰す」ことを好む信者が殆ど。蛮族に信仰者が多く、人族で信仰するものは純粋に教義に共感した求道者精神の持ち主を除けば、殆ど居ない。十字架状の剣を聖印とし、神像は豪壮な両手剣を手にした巨漢の男性となっている。

賢神キルヒア
 第三の剣、カルディアに触れて神格を得たと言われている神。(異論を唱える者も多数)。中性神とも言われている。知識の探求と魔術の研鑽を命題としており、学者や魔法使いに信者が多い。知識の収集とそれを知らしめることを美徳とし、信者以外にも広く門戸を開いている。冒険者への理解も深い。


妖精神アステリア
 第一の剣、ルミエルに触れて神格を得たとされる神。自然と調和して生きることを説いている。妖精が神格を得たとも言われており、エルフの祖とも考えられている。エルフに信者が多いが、絵画や音楽を愛したとされ、芸術家にも信仰されている。自由奔放で嫉妬深い存在とも伝えられており、その自由さ故に蛮族にも信仰する者がいる。


炎武帝グレンダール
 第一の剣、ルミエルに触れて神格を得たとされる神。炎を象徴とし、破壊と再生を司る。ドワーフの祖とも言われていおり、多くのドワ−フが信仰する。蛮族にも信者はいるが、破壊のみを押し出すそうした信者をドワーフは嫌悪している。積極的に闘うことや勝つための工夫と努力を推奨し、軍人や武人に信者が多い他、火にまつわる職人や、竈の神として料理人にも広く信仰されている。


戦勝神ユリスカロア
 戦いの勝利を司る女神。キルヒアの娘とも言われる。どの剣で神格を得たかは不明だが、『カルディアグレイス』には(名前は記されていないが)キルヒアの娘が第三の剣カルディアに無断で触れて神格を獲得し、第二の剣陣営に奇襲攻撃を仕掛けて勝利した為に、中立の立場にいたキルヒアが劣勢だった第一の剣陣営になし崩し的に加担する羽目になったと言う逸話が記されている。右手に斧槍を持ち、左手に盾を持った有翼の女戦士の姿で描かれる。あらゆる局面における戦いに対する勝利とそのための努力や工夫などを奨励しているが、勝利の為には手段を選ばない教義なので、卑怯な手段を嫌うザイア信者やグレンダール信者から批判されることもよくある。古代神らしく、かつては多くの信者が居たが、現在では信仰する者がほとんど居なくなってしまい、小神並に能力が衰えてしまっている(詳細は『堕女神ユリスの奇跡』を参照)。

死の神ザールキアス
ダルクレムから第二の剣イグニスを盗み二番目に神格を得たとされ、ダルクレムにも警戒される荒ぶる神。死を司り、生ける者すべてに速やかな死を与え殺し魂を解放せよと説いており、また、安易な自殺は慎みできるだけ多くの魂を開放する(殺す)ことが信徒の使命であるとされている。ブラグザバスの夫と言われており、神像は黒いフード付きのローブもしくは漆黒の甲冑に身を包み、髑髏の仮面と大鎌もしくは首切り斧を手に持った禍々しい姿となっている。




大神(メジャー・ゴッド)


騎士神ザイア
 ライフォスに仕え、ライフォスによって導かれて神格を得たと言われている神。第一の剣の陣営では一番の働きをしたとされている。秩序を重視し調和を愛し主や弱者を守ることを教義としていて、正々堂々と闘うことを主義とし、卑劣な振る舞いを嫌う。基本的には相手が仕掛けてから応戦するが、明らかな脅威に対しては積極的に戦う。騎士や官憲が信仰しており、信頼されているが、頭が固く融通が利かないと一部では倦厭されている。


月神シーン
 ティダンが人間だった頃、妻だった女性が導かれて神格を得たとされている神。昼は夫が、夜は妻が見守っているとされているため月神の異名を持つ。平和主義であり争いが起きると全てを闇に閉ざし戦えなくしたとも言われている。夜に安らぎを与え、夜と夜の眠りを司っているが、一方で夜の家業、水商売や盗賊の守り神としてもまつられている。


風来神ル=ロウド
 一つのところに留まらず気ままに生きることを説く自由の神。少年や少女姿、もしくは男女の双子や道化の姿で描かれることがある。誰に導かれて神格を得たとされているかは謎であり、司っているものが「自由」のためイグニスから神格を得たといわれているが実際のところは不明。トリックスター的な性質と「自由」を司る為に、勢力を問わず信仰されている。幸運の神ともされているためギャンブラーや盗賊にも多く信仰者が居る他、タブーに捕らわれる事無く運命は自分の手で切り開くものという教えもあるため、冒険者にも信者が多い。


酒幸神サカロス
 酒と幸福を司る神。無益な争いよりも楽しく酒を酌み交わすことで仲良くなろうと解いている神であり、男女の関係についても積極的になるように言っている。積極的な交流を説いているため商人の間では商売繁盛の神として信仰されている反面、堕落や混迷の神とも言われ忌避する人も居る。姿は笑みを浮かべる太った男、もしくは絶世の美男子として描かれている。


慈雨神フェトル
 実りをもたらす雨と天の怒りを示す雷を司る神。神紀文明の終わりにティダンによって神格を得た神で、天からは正しき者には恵みがあり罪深き者には必ず罰が与えられると説いている。主に農耕神として農民に、嵐の神として船乗りや漁師に信仰されている。また、断罪の神として一部の賞金稼ぎや復讐者にも信仰されている。神殿が農村部に多いため、仕事の合間に子供の行儀見習いに預けられていることがよく見られる。姿は大きな葉をかざして雨を受け、帯剣した凛として立つ女性とされている。


腐敗の女神ブラグザバス
毒と病を司り、第一の剣の陣営を大きく苦しめた神。疫病を産みだした神とも言われている。混乱と絶望を好み、無差別の死をまき散らすことを喜びとしていて、信者は殺した者の魂を少しでも多く捧げようとしている。表だって活動せず、周到に計画して人知れず邪悪な行為をすることを得意としているため、蛮族側の軍司やそれに準ずる者達に信仰されている。姿は妖艶な美女として描かれ、尻尾や翼を持っている場合もある。


不死神メティシエ
死と不死を司る神であり生命体としての強さを求める余り、"穢れ"を限界まで取り込んだとされている。信者が不死を探求したため、その副産物、もしくは失敗作としてアンデッドが生み出されたといわれている。研究や修行で不死を得た者はノスフェラトゥ(不死者)と言われていて、貴族を名乗る者も居る。人族の中にも不死に憧れ、隠れて信仰する者が居る。描かれる姿は思慮深い美青年の姿や、筋骨隆々とした偉丈夫である。


狂神ラーリス
いつ生まれ、どの剣の力で神格を得たとされているか不明の神。主に信仰しているのは魔神。魔神は普通は召喚時の契約や魔法に縛られるものだが、ラーリスの加護を得た魔神は自由となり、残虐となる。そもそも異界の怪物が仕える神なので、人族や蛮族は教えが理解できないため信仰者が少ない。ラーリスはアンデッドを生みだし、死者を蘇らせることを容認しているため、狂える神としてあらゆる勢力に異端視され恐れられている。


眠りの神カオルルウプテ
神々の戦争時、ダルクレムの戦友であったが「この世界の真の意味を知り、力や情熱では私の望みは叶えられない」と言い残し去ったとされている女神。眠りと安息、怠惰と堕落を司り、この世界は“剣を投げ入れた者”に作られた我々の魂を閉じ込める偽りの牢獄であり、彼の者は執拗な悪意で我々の未来を定め我々の絶望や争いや足掻くさまを見て楽しんでいるため、どのような努力や献身も無意味であり唯一眠りだけが我々を解放すると説いている。姿は優しく温和な笑みを浮かべ、両手をまるで我が子をその胸に迎えるように大きく柔らかに開いている女性とされている。




小神(マイナー・ゴッド)


水の神ルーフェリア
 水と停滞、忍耐を司る小神。〈大破局〉の時に行われた魔神召喚の儀式で生贄に捧げられた少女の一人が、ザイアの導きにより神格を得て誕生した。テラスティア大陸南部にある湖の国ルーフェリアの土地神として崇められていて、今も彼女の加護が国にはある(詳しいことは新米女神のリプレイを参照)。250年間蛮族の侵攻から土地を守り続けていたため、平和の女神として周辺地域に信仰が急速に広まっている。その勢いに近々大神になるかも知れないとも言われている。他の神々にない特徴として、国の人口に占めるエルフの比率が多いことから彼女が神へと昇格した姿を目撃した人々が数多く存命しているため、学術的にも興味深い事例として知られている。実は神格を得ると共に、ザイアから授けられた神槍で魔神を打ち倒して封じた『魔神封じの女神』なのだが、この事実は王国と神殿の秘中の秘とされていて極一部の関係者しか知らない。



融合神リルズ
 恋愛成就を司る若い小神。倒壊された建物に残ったリルクとリルニカのふたりからなり、生き延びることを諦めず柱の下で十日間励まし合っていたらその姿に感銘を受けたシーンの導きにより神格を得たとされている。融合神の名のごとく、頭が二つあったり両性具有の姿で描かれることが多い。若者に信者が多く、結婚式はリルズの神殿であげることが流行になっているが、熱心な信者は少なく、遺品がまつられている神殿は観光目当てが多い。フェンデル王国を中心にザルツ地方の西部で信仰されている。



繕いの神ニールダ
 古代魔法文明に生まれた服飾の小神。蛮族との戦いの時に巧みな服飾技術で蛮族の目を欺き、多くの者を戦場から逃した老婆が神格を得たものと言われている。身を守り、時には目を欺く技術を司っているためか最近は拡大解釈され、服飾や化粧の美しさや流行にも通じているとされている。ザルツ地方の都会の商人や若い娘に信仰されている。色鮮やかな布やヴェールを幾重にも纏い、姿を押し隠す姿で描かれることが多い。



器械神レパラール
 魔動機文明時代にリーンシェンク地方で誕生した建築・工作・修繕を司る小神。小さい頃に手足を火事で失いながらも、自ら開発した義肢を使用して火事で失った手足以上の技術力を身につけ、奇異の目にさらされながらもただひたすらに技術の研鑽に励み、人々の役に立つものづくりを続けた事から、賢神キルヒアに小神へと導かれたと言われている。実用性と合理性を重視し、芸術性に重きをおかない考え方もあってか、器械神レパラールのプリーストが持つ聖印は、装飾の無い「歯車」のかたちをしており、神像は、仮面をつけた阿修羅の如き多くの手に工具を持っていると言う異様なものが多い。


宥和神アーメス
魔動機文明時代に誕生した宥和を司る第二の神の小神。人族に追われ地下に逃げ込んだ雑多で協調性の薄い蛮族達、そんな彼らを統率し何とか生き延びようとしたインキュパスが突如現れた剣の幻によって神格を得たものとされる。人同士の和(輪)を大事にし互いの違いを取り払い大きな個としてあるべきだとする教義であり、いい方向に信仰されれば互いに助け合うが大概は自身が属する輪(コミュニティ)以外はどうでも良く他人からの略奪などを是とする排他的思考に陥る。フェイダン地方の一部蛮族や下層階級の人々に信仰されている(詳しいことは『新米女神の勇者たち』を参照)。神像は顔を見せ背中を丸めうずくまった有翼の青年像で、聖印は4本のロープを独特の複雑な形に結んだものである。


剣神ヒューレ
 魔法文明時代崩壊後に誕生した小神。混乱する時代の中蛮族達との戦いで活躍した剣士が、戦死後彼によって命を救われた人々が抱いた感謝と敬愛のが集まったことによって神格を与えられた(あるいはザイアによって神格を得たとも)とされる。剣を振るうものが持たねばならぬ弱者の保護の義務や剣を持つものの覚悟を教義とし、戦士の間で信仰されている。神像は二刀流の精悍な青年の姿をとり、聖印は渦巻く風に2本の剣が交差したもの。


韋駄天ラトクレス
 神紀時代末期に誕生した小神。俊足だけが取り柄の純朴な青年がその足ゆえにティダンの伝令役となり各地を飛び回り、ティダンの祭器を盗んだ賊を捕らえたことで功績と誠実さを称えられ神格を得た。素早く的確な行動や誠実な伝達、自らの役割に誇りを持つことを教義とし、ライダーギルドや冒険者の店によく神像が置かれている。神像は編み上げ靴をしっかり履いた皮鎧姿の青年の姿を取り、聖印は一足の編み上げ靴をあしらったものとなっている。


毒薬の神テメリオ
誕生したばかりの第二の神の小神。自ら作った毒薬で他者が苦しむ様を眺めることや麻薬におぼれることで快楽をむさぼったブラグザバス信者の薬師がその薬作りの技量によって神格を得たものとされる。自らが愉しみ、その為に他者を苦しめ使い捨てることを教義とし、教団では拉致や薬物による洗脳によって強制的に信者(奴隷)を増やすのが慣習になっている。神像は各所に(毒による)染みがついた白衣をまとった冷たい笑みの老人姿で、聖印は白黒(薬と毒)に塗り分けられた四角形。


刃神マキシム
 戦いと誓いを司る小神。〈大破局〉の後蛮族によって荒廃したシエナクェラス地方において若者達に武器を提供した鍛冶師が、戦士たちが蛮族によって倒された後死を嘆き、その声を聞いたキルヒアによって神格を与えられたものとされる。その後戦いの為に7本の神器を人々に与えシエナクェラス地方を救ったが、戦う力を与えたことによって起こる新たな悲劇やさらなる騒乱を嘆いており、戦いや行動によって起こる反発や悲劇をしっかり見据え、その事を後悔せず覚悟を持つことを教義としている。神像は何本もの剣に貫かれた穏やかな表情の中年男性で、聖印は7本の剣を円状に並べたもの。


鉄槌神エセルフィン
 マキシムの妹とされる小神。元々はマキシムと同じ鍛冶師だったが、彼が神になったきっかけとなる若者達の反乱の失敗を見て突出の危険を嘆き完全なる均一こそ平穏だという考えに取りつかれ、兄が神になった数年後ライフォスによって神格を得た。完全なる平等による平穏とそのための突出した力の排除、他者同士を競争させ両者共疲弊させることを教義としている。現在では「完全なる平等」を求めるがあまり、個性の強い人間や人についていけない弱者、より力や財力を持つ者をも排除するという狭量な思想が信者の多数を占め、「完全なる平等」のためシエナクェラス地方の各国を互いに競わせ大国が生じないように工作しているとも言われている。その教義の危険性ゆえ第一の神陣営ながら邪教とされ、プレイヤーキャラクターの使用は推奨されていない。神像は天秤と槌を持つ女性で、聖印も天秤と槌があしらわれたもの。


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